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たけいとういしゅくしょう
多系統萎縮症multiple system atrophy

指定難病17

多系統萎縮症
オリーブ橋小脳萎縮症
線条体黒質変性
シャイ・ドレーガー症候群
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多系統萎縮症患者における咳嗽力改善に関する治療介入の検討2021・09・05

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パーキンソン病患者と類縁疾患における皮膚成分の解析2020・11・19

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クローリングニュース

病気・治療解説

概要

成年期(30 歳以降、多くは 40 歳以降)に発症し、組織学
的には神経細胞とオリゴデンドログリアに不溶化したαシヌクレインが蓄積し、進行性の細胞変性脱落を来す疾患です。初発から病初期の症候が小脳性運動失調であるものはオリーブ橋小脳萎縮症(olivopontocerebellar atrophy:OPCA)、パーキンソニズムであるものは線条体黒質変性症、そして特に起立性低血圧など自律神経障害の顕著であるものはシャイ・ドレーガー症候群と各々の原著に従い称されてきました。いずれも進行するとこれら三大症候は重複してくること、画像診断でも脳幹と小脳の萎縮や線条体の異常等の所見が認められ、かつ組織病理も共通していることから多系統萎縮症と総称されるようになりました。

原因

MSA は小脳皮質、橋核、オリーブ核、線条体、黒質、脳幹や脊髄の自律神経核に加えて大脳皮質運動野などの神経細胞の変性、オリゴデンドログリア細胞質内の不溶化したαシヌクレインからなる封入体(グリア細胞質内封入体:GCI)を特徴とするが、神経細胞質内やグリア・神経細胞核内にも封入体が見られます。ほとんどは孤発例ですが、ごくまれに家族内発症が見られ、その一部では遺伝子変異が同定されています。
現在、発症機序について封入体や遺伝要因を手がかりに研究が進められていますが、まだ十分には解明されていません。

症状

我が国で最も頻度の高い病型は OPCA である。OPCA は中年以降に起立歩行時のふらつきなどの小脳性運動失調で初発し主要症候です。初期には皮質性小脳萎縮症との区別が付きにくく、二次性小脳失調症との鑑別が重要です。線条体黒質変性症は、筋強剛、無動、姿勢反射障害などの症候が初発時より見られるので、パーキンソン病との鑑別を要します。パーキンソン病と比べて、安静時振戦が少なく、進行は早く、抗パーキンソン病薬が効きにくいです。起立性低血圧や排尿障害など自律神経症候で初発するものは、シャイ・ドレーガー症候群とよばれます。その他、頻度の高い自律神経症候としては、勃起障害(男性)、呼吸障害、発汗障害などがあります。注意すべきは睡眠時の喘鳴や無呼吸などの呼吸障害で、早期から単独で認められることがあります。呼吸障害の原因として声帯外転障害が知られていますが、呼吸中枢の障害によるものもあるので気管切開しても突然死があり得ることに注意して説明が必要です。
いずれの病型においても、経過と共に小脳症候、パーキンソニズム、自律神経障害は重複し、さらに錐体路徴候を伴うことが多いです。自律神経障害で発症して数年を経過しても、小脳症候やパーキンソニズムなど他の系統障害の症候を欠く場合は、他の疾患との鑑別を要します。

治療法

パーキンソン症候があった場合は、抗パーキンソン病薬は、初期にはある程度は有効であるので治療を試みる価値はあります。また、自律神経症状や小脳失調症が加わってきたときには、それぞれの対症療法を行います。呼吸障害には非侵襲性陽圧換気法などの補助が有用で、気管切開を必要とする場合があり、嚥下障害が高度なときは胃瘻が必要となることも多いです。リハビリテーションは残っている運動機能の活用、維持に有効であり積極的に勧め、日常生活も工夫して寝たきりになることを少しでも遅らせることが大切です。

経過

多系統萎縮症では線条体が変性するので、パーキンソン病に比べて抗パーキンソン病薬は効きが悪いです。
また、小脳症状や自律神経障害も加わってくるため全体として進行性に増悪することが多いです。我が国での230 人の患者を対象とした研究結果では、それぞれ中央値として発症後平均約5年で車椅子使用、約8年で臥床状態となり、罹病期間は9年程度と報告されています。

※難病情報センターhttp://www.nanbyou.or.jpより、許可をいただき掲載しております。