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血友病Bの遺伝子治療薬HEMGENIX、単回投与で5年間の効果持続を確認

豪CSL社は2025年12月7日、血友病Bの成人患者さんを対象とした遺伝子治療薬HEMGENIX(一般名:etranacogene dezaparvovec)の臨床試験において、投与から5年後の長期的な有効性と安全性が確認されたと発表しました。

HEMGENIXは、生体内遺伝子治療であり、血友病B患者さんに欠損しているタンパク質である第IX因子を体内で持続的に産生できるようにすることで、対象となる血友病B患者さんにおける出血イベントの発生率を低減させます。

今回の発表は、ピボタル第III相臨床試験である「HOPE-B試験」の5年時点のデータに基づいたものです。試験では54名の患者さんに対しHEMGENIXの単回投与が行われ、そのうち50名が5年間の追跡調査を完了しました。結果として、全体の94%にあたる51名の患者さんが、一度の治療を受けた後、最長5年間にわたり従来の定期的な血液凝固因子補充療法を必要としない状態を維持していることが明らかになりました。

治療効果の指標となる第IX因子の活性レベルについても、長期にわたる安定性が示されています。投与後1年目には平均41.5%であった活性値は、5年経過した時点でも平均36.1%と高い水準を保っていました。また、出血の頻度を示す年間出血回数は、治療前の期間と比較して約90%低下しました。特に関節内出血は93%、自然出血は94%減少しており、持続的な出血予防効果が確認されています。

安全性に関しても良好な結果が報告されており、同治療に関連した重篤な有害事象は認められませんでした。治療に関連する有害事象の大半は投与後4カ月以内に発生したもので、4年目から5年目にかけての報告はわずか5件にとどまっています。

以上の結果について、CSLのシニアバイスプレジデント兼メディカルアフェアーズ部門責任者であるDeborah Long医学博士(FCCP)は、「これらの結果は、HEMGENIXがもたらす意義ある違いを明確に示すものです。HEMGENIXにより出血回数は定期補充療法と比較して減少し、患者さんは定期補充療法を継続する負担から解放されます。私たちは今後も、この重要な治療へのアクセス拡大に取り組んでまいります」と述べています。

現在、同剤は世界8カ国で承認され、実臨床の現場で75名を超える患者さんが治療を受けています。CSL社は今後も長期的な安全性や有効性に関するデータを収集するため、最長15年にわたる経過観察や市販後レジストリによる調査を継続していくとしています。

なお、同研究の成果は、医学誌「The New England Journal of Medicine」に掲載されるとともに、米国血液学会(ASH)年次総会において同時に発表されました。

出典
CSLベーリング株式会社 プレスリリース

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