S1P受容体調節薬ベルスピティ、中等症から重症の潰瘍性大腸炎に対する承認を取得
ファイザー株式会社は6月24日、中等症から重症の潰瘍性大腸炎に対する治療薬として、スフィンゴシン 1-リン酸受容体(S1P1,4,5)調節薬「ベルスピティ錠2mg(一般名:エトラシモドL-アルギニン)」の国内における製造販売承認を取得したと発表しました。
潰瘍性大腸炎(指定難病97)は、大腸の粘膜に炎症が起きてびらんや潰瘍ができ、寛解と再燃を繰り返す慢性炎症性腸疾患です。主な症状として、下痢・血便・腹痛などがあります。
ベルスピティは、S1P受容体サブタイプ1、4、5に対して選択的に活性を示すよう設計されたS1P受容体調節薬です。潰瘍性大腸炎を含む炎症性疾患に対する1日1回経口で服用する固定用量製剤であり、患者さんにとって簡便な治療選択肢となることが期待されます。同剤は、潰瘍性大腸炎に係る効能・効果で、2023年10月に米国で承認されて以降、欧州連合、英国、オーストラリア、シンガポール、スイス、イスラエルなどでも承認されています。
今回の承認取得は、中等症から重症の活動期にある潰瘍性大腸炎の患者を対象とした、国際共同第3相試験(ELEVATE UC 52試験、ELEVATE UC 12試験)および国内第3相試験(ELEVATE UC 40 Japan試験)の結果等に基づいたものです。これらの試験では、潰瘍性大腸炎の患者さんにおけるエトラシモドの有効性と安全性が示されました。
ファイザーの取締役医薬開発担当である石橋太郎氏はプレスリリースにて、「本日のベルスピティの承認により、既存治療で効果が十分に得られない中等症から重症の潰瘍性大腸炎の患者さんに、1日1回、固定用量の経口薬という利便性の高い新たな治療選択肢をお届けできるようになりました。臨床試験にご参加いただいた方々、治験実施医療機関の皆さまに改めて感謝申し上げます。本剤を一日でも早くお届けし、患者さんのQOL向上に貢献できるよう関係各位と連携してまいります」と述べています。