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潰瘍性大腸炎とクローン病を対象に開発中の治療薬RG6631の導入契約を締結

中外製薬株式会社は8月7日、エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社(以下ロシュ社)と潰瘍性大腸炎およびクローン病に対し開発中の抗TL1A抗体治療薬RG6631について、導入契約を締結したと発表しました。

潰瘍性大腸炎(指定難病97)とクローン病(指定難病96)は、慢性あるいは寛解・再燃性の腸管の炎症性疾患の総称である炎症性腸疾患です。主な症状は、腹痛、頻便、下痢、体重減少、倦怠感です。寛解と再熱を繰り返す患者さんが多数存在します。薬物の効果が徐々に失われる二次無効が生じる場合もあり、特に小腸や肛門部の病変に対しての有効な薬剤が少ない状況です。

RG6631は、炎症と線維化を同時に抑制することで潰瘍性大腸炎およびクローン病に対して高い効果を発揮することが期待されている薬剤で、他の複数の疾患に応用できる可能性があります。中等度から重度の潰瘍性大腸炎の患者さんを対象としたグローバル第IIb相試験(TUSCANY-2)2では、RG6631による治療により導入期および維持期で臨床的寛解など複数の評価項目で改善が確認されました。

中外製薬代表取締役社長CEOの奥田修氏はプレスリリースにて、「潰瘍性大腸炎およびクローン病は、寛解と再発を繰り返す難治性の疾患です。下痢や腹痛などの症状が繰り返し起こるため長期の通院をはじめ日常生活が制限されることも多く、進行すると大腸がんを合併するリスクが高くなります1。また、寛解を維持する治療法が十分に確立されておらず、依然として高いアンメットメディカルニーズが存在しています。RG6631を患者さんに早期にお届けするため、ロシュ社と緊密に連携してまいります」と語っています。

なお、同剤についてはロシュ社より、2024年中に第III相試験の開始が予定されています。中等度から重度のクローン病に対しては第II相試験が進行中です。

出典
中外製薬株式会社 プレスリリース

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