【中国】発作性夜間ヘモグロビン尿症に対する抗補体C5リサイクリング抗体治療薬としてクロバリマブが承認を取得
中外製薬株式会社は2月8日、抗補体C5リサイクリング抗体クロバリマブ(中国語製品名:派圣凯)について、補体阻害薬による治療歴のない発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の成人および青年患者(12歳以上)に対し、中華人民共和国 国家薬品監督管理局(NMPA:National Medical Products Administration)より承認されたと発表しました。
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)は、PIG-A遺伝子に後天的に変異が生じた造血幹細胞がクローン性に拡大することにより、自己補体による血管内溶血を生じる造血幹細胞疾患です。ヘモグロビン尿、貧血などの溶血に起因する症状が特徴的ですが、造血不全症状を呈する場合もあり、患者さんにより症状は異なります。また、慢性腎臓病、肺高血圧症等を併発する場合があります。
クロバリマブは、抗補体C5リサイクリング抗体で、一般的な抗体では、抗原に1回しか結合することができないのに対し、クロバリマブは繰り返し抗原に結合するよう改変することで、低用量で持続的な補体阻害が得られ、4週ごとの皮下投与を可能にします。リサイクリング抗体技術を適用した治療薬の承認は、視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)に対する治療薬であるエンスプリングに続き2剤目です。
今回の承認は、補体阻害薬による治療歴のない発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の患者さんを対象に、中国で実施された多施設共同単群第III相臨床試験(COMMODORE3試験)、およびランダム化非盲検国際共同第III相臨床試験(COMMODORE2試験)等の結果に基づいたものです。
なお、承認申請は日本と台湾を除く地域でクロバリマブの開発を担うエフ・ホフマン・ラ・ロシュ社の中国法人が行いました。同剤に対する承認取得は中国が世界で1カ国目です。