デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療剤ビルテプソの4年長期試験解析データがJournal of Neuromuscular Diseasesに掲載
日本新薬株式会社は5月9日、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)治療剤「ビルテプソ」(一般名:ビルトラルセン)の北米における第Ⅱ相非盲検継続投与試験の長期有効性および安全性データ(投与開始4年後の最終解析結果)が、学術誌「Journal of Neuromuscular Diseases」に掲載されたと発表しました。
今回学術誌に掲載されたデータは、北米で実施された第Ⅱ相試験の継続投与試験から得られたものです。エクソン53スキッピングにより治療可能なジストロフィン遺伝子の欠失が確認されていている4~10歳未満のデュシェンヌ型筋ジストロフィー患者さん16例は24週間の第Ⅱ相試験を完了しました。
また、この16例全員が継続投与試験に登録され、長期間の運動機能および安全性が評価されました。運動機能は、床からの立ち上がり時間、10m歩行/走行時間、4段階段昇り時間などを指標とし、患者さんの背景を一致させた自然歴データと比較しました。なお、ビルテプソ投与群と自然歴群ともにグルココルチコイドの投与が継続されていたそうです。
ビルテプソ投与開始から205週後の有効性について、床からの立ち上がり時間のベースラインからの平均変化量は、ビルテプソ投与群は2.7秒、自然歴では8.3秒でした。今回の試験で認められた主な有害事象は、軽度から中等度の鼻咽頭炎、発疹、発熱、嘔吐などです。ビルテプソの安全性プロファイルは、これまでの短期間の臨床試験で認められたものと同様で、治療に関連する重篤な有害事象や治療中止に至った患者さんはいませんでした。
日本新薬株式会社はプレスリリースにて「当社は、現在、第Ⅲ相無作為化プラセボ対照二重盲検比較試験「RACER53試験」を行っており、本剤の有効性および安全性をさらに検証していきます」と述べています。