高用量メコバラミン製剤が筋萎縮性側索硬化症(ALS)を対象として希少疾病用医薬品に指定
エーザイ株式会社は5月27日、メコバラミンの高用量製剤について、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病態及び機能障害の進行抑制を予定される効能又は効果として、厚生労働省より希少疾病用医薬品に指定されたと発表しました。
メコバラミン(一般名、開発品コード:E0302)は現在、「メチコバール(R)注射液500µg」として末梢性神経障害およびビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血の適応で承認・販売されています。また、「メチコバール錠250µg」、「メチコバール錠500µg」、「メチコバール細粒0.1%」については、末梢性神経障害の適応を有しています。メコバラミンのALSの病態における作用機序については解明されていませんが、非臨床研究の結果から、神経保護作用、神経軸索再生作用により有効性を示す可能性が示唆されています。
これまでに高用量メコバラミンは、徳島大学の梶龍兒特命教授(主任研究者)、徳島大学大学院医歯薬学研究部臨床神経科学分野の和泉唯信教授(治験調整医師)らが主導した発症早期のALS患者さんに対する高用量メコバラミンの有効性、安全性の検証を目的とした「高用量メチルコバラミン(メコバラミン)の筋萎縮性側索硬化症に対する第III相試験-医師主導治験-(The Japan Early-Stage Trial of Ultrahigh-Dose Methylcobalamin for ALS)」において、良好な臨床試験結果が得られていました。
この試験結果を受けて、エーザイは日本におけるALSに対する新薬承認申請に向けた作業を開始。2023年度中の新薬承認申請を予定しているそうです。