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【米国】抗AChR抗体陽性の成人全身型重症筋無力症(gMG)治療薬としてVYVGARTをFDAが承認

アルジェニクスジャパン株式会社は1月6日、米国食品医薬品局(FDA)がVYVGART(TM)(エフガルチギモド アルファ-fcab)を抗アセチルコリン受容体(AChR)抗体陽性の成人患者における全身型重症筋無力症(gMG)の治療薬として承認したと発表しました。この発表は、ベルギーのアルジェニクス本社が2021年12月17日(現地時間)に発表したプレスリリースを日本語に翻訳したものです。

全身型重症筋無力症(gMG)は、IgG自己抗体が神経と筋肉の間の伝達を妨害し、消耗性で生命を脅かす可能性のある筋力低下を引き起こす稀な慢性自己免疫疾患。重症筋無力症患者さんの約85%が24カ月以内にgMGへと進行し、全身の筋肉に影響を及ぼす可能性があります。また、gMG患者さん全体の約85%に抗AChR抗体が認められます。

VYVGARTは、アセチルコリン受容体を標的とした抗体が陽性(抗AChR抗体陽性)である成人の全身型重症筋無力症を対象に使用される処方薬。胎児性Fc受容体(FcRn)に結合するヒトIgG1抗体フラグメントであり、血液中のIgGを減少させます。

米国におけるVYVGARTの承認は、国際共同第III相試験であるADAPT試験の結果に基づくものです。同試験では、抗AChR抗体陽性gMG患者さんの初回サイクルにおける重症筋無力症の日常生活動作(MG-ADL)レスポンダーの割合は、VYVGART群がプラセボ群と比較して統計学的に有意に高い結果を示し(68%対30%、p<0.0001)、主要評価項目を達成しました。また、QMG(quantitative MG)レスポンダーの割合も、VYVGART群がプラセボ群と比較して統計学的に有意に高い結果を示しました(63%対14%、p<0.0001)。

ADAPT試験では、VYVGARTの安全性プロファイルも検証され、同試験において最も多くみられた有害事象は、呼吸器感染症(33%対プラセボ29%)、頭痛(32%対プラセボ29%)、尿路感染症(10%対プラセボ5%)でした。

アルジェニクスの最高経営責任者ティム・ファン・ハウアーメイレン氏は、プレスリリースにて、「本日は、アルジェニクスとgMGに関わる皆さんにとって新たな時代の幕開けです。この消耗性疾患を抱えて生きる患者さんに、革新的な治療選択肢を提供する責務を果たすことができて光栄です。VYVGARTの承認は、多くの成果を意味するものです。それは、当社の最初の承認取得、FDAが承認した最初で唯一の胎児性Fc受容体阻害薬、gMGの根本要因である病原性IgG抗体を減少させることを目的に開発された初めての承認治療薬であることです。」と述べ、「何より、ADAPT試験に参加してくださった患者さん、支援いただいた介護者、治験責任医師、治験チームの皆さん、また多大な努力と協力を尽くしてくれた当社の提携先と社員各位に対して、感謝を申し上げます。皆さんのお陰で、この節目を迎えることができました」と語っています。

出典
アルジェニクスジャパン株式会社 プレスリリース

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