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じゅうしょうきんむりょくしょう
重症筋無力症Myasthenia gravis

指定難病11

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重症筋無力症

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NPO法人 筋無力症患者会

重症筋無力症患者とその家族、及び、重症筋無力症の疑いのある患者とその家族.を対象とし、難病医療推進を通じて難病問題の啓発と対策の前進を図り、医療と福祉の発展と向上に寄与する。また、医療サービス及び福祉サービスの格差を是正、増進をめざして運動し、患者や家族の支援、相談、親睦を図ることを目的とする。

※当会は、筋無力症と診断される前の患者、及び疑いのある方の支援、病気を抱える家族の支援を大切にしています。

病気・治療解説

概要

重症筋無力症は、手足を動かすと筋肉がすぐに疲れて、力が入らなくなる病気です。全身の筋力が弱くなったり、疲れやすくなったりします。また、まぶたが下がってくる眼瞼下垂(がんけんかすい)と、ものが二重に見える複視(ふくし)などの眼の症状を起こしやすい特徴があります。力が入らなくなる筋肉は、主に随意筋と呼ばれる自分の意志によって動かせことができる筋肉に発生します。(心臓、胃などは、自分の意志で動かすことが出来ません。)また、休息を取ると再び動かすことができるようになるのがこの病気の特徴です。

疫学

男女比は1:1.7で女性に多いのが特徴です。発症年齢は、5歳未満に一つのピークがあり全体の7.0%になります。その後、女性では30歳台から50歳台にかけてなだらかなピークがあり、男性では50歳台から60歳台に発症のピークがあります。特別な地域や職業歴と重症筋無力症発症の因果関係はありません。

原因

神経筋接合部の筋肉側(信号の受け手)に存在するいくつかの分子に対して自己抗体が産生され、神経から筋肉に信号が伝わらなくなるために筋力低下が起こります。自己抗体の標的として最も頻度の高いのがアセチルコリン受容体で全体の85%程度、次に筋特異的受容体型チロシンキナーゼ(MuSK)で全体の数%と考えられています。残りの数%(全体の10%未満)の患者では、どちらも陽性になりません。自己免疫疾患としての標的分子が約90%の患者で明らかになったことになります。しかし、なぜこのような自己抗体が患者体内で作られてるのかは、いまだによくわかっていません。一方、抗アセチルコリン受容体抗体を持つ患者さんの約75%に胸腺の異常(胸腺過形成、胸腺腫)が合併ことより、何らかの胸腺の関与が疑われており、それを摘出後に発症することもあります。

遺伝

遺伝しません。遺伝する筋無力症もまれにありますが、これは先天性筋無力症候群と言われる神経筋接合部にある特定の分子の遺伝子変異による疾患です。自己免疫性の重症筋無力症は遺伝をすることはありません。

症状

筋力低下と易疲労性がこの疾患の症状です。この二つの症状は、骨格筋であればどこにでもあらわれるわけですが、特に眼瞼下垂、複視などの眼の症状がおこりやすいことが特徴です。一方、発語や嚥下障害などの症状が目立つ患者さんもいますし、四肢筋力低下が強い患者さんもいます。症状が悪化すると、呼吸筋麻痺により呼吸ができなくなることもあります。
重症筋無力症は、手足を動かすと筋肉がすぐに疲れて、力が入らなくなる病気です。全身の筋力が弱くなったり、疲れやすくなったりします。また、まぶたが下がってくる眼瞼下垂(がんけんかすい)と、ものが二重に見える複視(ふくし)などの眼の症状を起こしやすい特徴があります。力が入らなくなる筋肉は、主に随意筋と呼ばれる自分の意志によって動かせことができる筋肉に発生します。(心臓、胃などは、自分の意志で動かすことが出来ません。)また、休息を取ると再び動かすことができるようになるのがこの病気の特徴です。

疲労が蓄積する夕方や夜間に症状が悪化する「日内変動」や、日によって症状が変動する「日差変動」が見られることもあります。
怖いのは、呼吸筋(深呼吸するときに動く筋肉)が疲れると呼吸ができなくなり(クリーゼ)、死に至ります。しかし、疲労が突然来ることは稀です。

目の筋肉に支障をきたすMGを「眼筋型MG(ocular myasthenia gravis)」、手、足などのに疲労が来るMGを「全身型MG(generalized myasthenia gravis)」と呼んでいますが、きっちりとした区別はありません。一般的に眼筋型は、小児に多く見られます。

目、顔の周りの筋肉の症状は、眼瞼下垂(まぶたの下がり)や、眼球運動障害による複視(両目で見たとき、対象物が二重に見える。)、嚥下困難(物、水などがむせて、飲み込みにくい)、構音障害(鼻声)があります。小児の場合、眼筋型で寛解(病気の症状が出ない状態)になる可能性があります。成人の場合、眼筋型から全身型へ移行する確率が多いです。(最初から全身型だったのだけど、初期症状が眼筋型のケース,潜在性全身型)
全身型の症状は、整髪・洗髪時あるいは歯磨きにおける腕のだるさ、あるいは階段を昇る時の太もものだるさ、机仕事時に頭を上げていられなくなる首のだるさなど、体に近い筋肉に強く現れます。疾患説明にも書きましたが、肺を締め付けられるような息苦しさも現れるときがあります。
これらの症状は、「日内変動」、「日差変動」など、調子の良いときと悪い時を繰り返します。全身型の患者では、ADL(日常生活動作)、QOL(生活の質)の観点から十分な改善が得られず、社会生活に困難を来すことも少なくない。眼症状のみの患者でも、日常生活に支障を来すことがある。

MG症状を正確に判断するのは、担当医でもとても難しく、特に限られた時間しかない外来診療では完全に評価すくことが難しいときがあります。 診察時にQMGスコアに記入し担当医に見せることで病状を正確に把握することが出来ます。

一過性新生児重症筋無力症(transient neonatal myasthenia gravis)
MGの母親の乳児は、生後約48時間以内に一時的な(一過性の)MG形態の障害を発症することがあります。一過性の新生児重症筋無力症として知られるこの症状は、全身性筋力低下および低筋緊張(緊張低下症、体がなんとなくふにゃふにゃ、姿勢が悪い)を特徴とすることがあります。吸引障害または嚥下障害、弱い泣き声。呼吸不全 および/または自発運動がほとんどない。そのような異常は数日から数週間にわたって現れることがあり、その後に罹患した乳児は正常に戻ります。

治療法

対症療法と根治的な免疫療法があります。対症療法として使われるのは、コリンエステラーゼ阻害薬といって、神経から筋肉への信号伝達を増強する薬剤です。ただ、これはあくまでも、一時的な対症療法と考えるべきです。治療の基本は免疫療法で、この病気の原因である抗体の産生を抑制したり、取り除く治療になります。抗体の産生を抑制するものには、ステロイド薬、免疫抑制薬があり、飲み薬としても点滴としても使われています。そのほかには、抗体を取り除く血液浄化療法、大量の抗体を静脈内投与する大量ガンマグロブリン療法などがありますが、患者さんの症状や状態に応じて、治療方法が選択されています。これらは、体の抗体産生能を非特異的に押さえたり、全部の抗体を区別なく除去する治療で、疾患特異的な治療ではありません。
胸腺の異常として、胸腺腫を合併する場合は、まず外科的にこれを取り除く必要があります。胸腺腫は早期に発見されば場合は、一括して切除でき、生命予後の良い腫瘍です。また、胸腺過形成と言って、胸腺にリンパ球成分が入り大きくなる場合があります。以前は、このような胸腺も手術で取り除いていたこと(胸腺摘除術)がありましたが、最近はその有効性がはっきりしないことが分かったため、胸腺過形成に対する胸腺摘除術は次第に行われなくなりました。

経過

特異的な病気のマーカーである自己抗体(アセチルコリン受容体抗体、MuSK抗体)の測定が多くの施設で可能になり(検査会社に委託)、早期診断・早期治療が行われるようになったため予後は比較的良好です。約半数の患者は、発症後に日常生活や仕事の上で支障のない生活を送ることができます。その中には、完全に治療が不要になる人は6%程度で、その他の患者さんは治療を継続しています。一方で、治療によってもあまり改善のない患者が10%ほどいます。

患者さんに知って欲しいこと

ステロイド薬や免疫抑制薬を服用中であっても、少ない量で病状がコントロールされていれば健常人と何ら変わることの無い生活を送ることが出来ます。注意する点として、次のようなことがあります。1)ステロイド薬などの免疫抑制薬を服用中の場合は、生ワクチンの予防接種を受けることは出来ません。インフルエンザなどの不活化ワクチンの接種は支障なく、これらの疾患にかからないために、むしろ積極的に受けるべきです。2)妊娠ならびに授乳において、胎児や乳児に好ましくない影響を与える治療薬があります。これらの点については、主治医に良く相談してください。

※ 難病情報センター(http://www.nanbyou.or.jp/)より、許可をいただき掲載しております。