レベスティブ、日本初の短腸症候群治療薬として発売
武田薬品工業株式会社は8月18日、短腸症候群治療薬「レベスティブ(R)皮下注用3.8mg」(一般名:テデュグルチド(遺伝子組換え)、開発コード:TAK-633)を発売したと発表しました。
レベスティブに含まれる成分であるテデュグルチドは、天然型GLP-2よりも長く腸管へ作用する組換えヒトGLP-2アナログです。同剤は33個のアミノ酸からなるペプチドで、天然型GLP-2と同様の機序で作用。GLP-2と同一の受容体に結合し、同程度の効力および選択性を示すそうです。また、DPP-4によって不活化されにくく、天然型より半減期が長いという特徴もあるとしています。
今回の承認は、海外で行われた複数の試験ならびに国内で小児と成人を対象として実施された臨床第3相試験(SHP633-302、SHP633-305、SHP633-306、SHP633-307)などの結果に基づくものです。
同剤は日本国内において、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において医療上の必要性が高いと判断され、開発要請がなされました。そして、2014年11月20日付けで、予定される効能または効果を「短腸症候群」として、厚生労働省が希少疾病用医薬品に指定。短腸症候群の治療薬として開発が進められ、2020年10月27日に厚生労働省に製造販売承認申請され、今年6月23日に製造販売承認を取得しました。
なお、 同剤については、 現時点で標準治療がなく治療選択肢が極めて限られている「成人および修正月齢4ヵ月以上の小児」の体重10kg以上の患者さんの要望に応えるために、厚生労働省の定める「保険外併用療養費制度」のもと、同剤の倫理的無償供給プログラムを6月23日の製造販売承認取得以降も実施していましたが、今回の薬価収載に伴い、2021年8月11日付でこれを終了したとしています。
武田薬品工業のGIスペシャルティビジネスユニットヘッドの中村浩己氏は、ニュースリリースにて、「本邦において、レベスティブが短腸症候群の新しい治療選択肢となり、一人でも多くの患者さんのより良い生活や人生に貢献できるよう、企業として取り組んで参ります」と述べています。