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ユビキチン鎖修飾による炎症の制御メカニズムの解明

九州大学生体防御医学研究所をはじめとする研究グループは、マウスを用いてユビキチン化による炎症反応制御メカニズムを解明したと発表しました。特に自己免疫疾患の患者において、直鎖型のユビキチン鎖因子の遺伝子変異が見つかっており、ユビキチン化と炎症反応のさらなる理解は自己免疫疾患の発症メカニズム解明および治療法開発にも繋がると期待されています。

炎症反応は生体内の複雑なシグナル伝達経路によって制御されています。研究グループは以前、タンパク質が翻訳された後の修飾に関わるユビキチン鎖が炎症を司る複合体の形成に関わっていることを明らかにしました。本研究では、直鎖型のユビキチン鎖を誘導する酵素HOIPが特定のユビキチン就職を受け細胞内の炎症反応を制御していることが明らかになりました。HOIPがユビキチン化を受ける部位が複数ありますが、中でもIBR部位と呼ばれる部位のユビキチン化が重要であることを示しました。

ユビキチンは76個のアミノ酸からなるタンパク質であり、いたるところに(ユビキタス)発現することからその名が付けられました。標的分子を修飾(ユビキチン化)し、標的分子の活性や構造を制御しており、ユビキチン分子が複数連なることでユビキチン鎖を形成することが明らかになっており、ユビキチン鎖の長さや形態が標的分子の運命決定にも関与していることが知られています。

出典元
九州大学 プレスリリース

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