ヤンセン、自己免疫疾患の新規治療薬パイプラインを拡大
米ジョンソン・エンド・ジョンソンは2020年8月19日(現地時間)、免疫介在性疾患の創薬開発企業であるMomenta Pharmaceuticals Inc.を買収する正式契約を締結したと発表しました。ジョンソン・エンド・ジョンソン社の医薬品部門であるヤンセンファーマシューティカルカンパニーは、この買収により自己免疫疾患製品の拡大を通じてさらなる成長が期待されます。
免疫機能は本来、細菌や病原体など外敵の侵入に対し排除しようと攻撃する機能です。しかし免疫機能に異常が起こると、免疫機能を担う細胞群は自身の細胞やタンパク質などを攻撃し始めます。このような状態を自己免疫疾患と呼びます。自己免疫疾患には重症筋無力症、自己免疫性溶血性貧血、リウマチ性疾患、神経疾患などがあり、世界的には約1億9,500万人の患者がいると推定され、さらにその多くは希少疾患です。今回の買収によりヤンセンは自己免疫疾患に対し新たな治療法提供の貢献が期待されます。
ジョンソン・エンド・ジョンソンとMomentaの取引には、既存薬よりも画期的とされる抗FcRn抗体となりうるnipocalimabの商業的権利の取得も含まれます。nipocalimabによりヤンセンは、リウマチ性疾患、皮膚疾患、自己免疫血液疾患などの領域で新たな治療法の提供の機会を得ます。nipocalimabは既に米国食品医薬品局 (FDA) より希少小児疾患治療薬の指定を受けています。