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全身性エリテマトーデスの治療薬開発を目指す産学官連携による研究が開始

エーザイ株式会社は2020年7月10日、全身性エリテマトーデス(SLE 指定難病 49)に対する治療薬の創薬を目指し、同社の他4つの大学を含む産官学連携の研究開発契約を締結したことを報告しました。「産学連携オールジャパン体制による本邦Toll様受容体研究の実用化:全身性エリテマトーデス薬の創製」をテーマにした本研究プロジェクトは、免疫機能に関わるToll様受容体(とるようじゅようたい)に着目した日本発の治療薬の創薬に繋がると期待されています。

女性に多い自己免疫疾患

全身性エリテマトーデスは特に20歳代から40歳代の女性に多い自己免疫疾患です。赤く腫れたような皮膚症状や臓器障害、倦怠感、発熱など、全身に様々な症状がみられます。国内には約6万人程度の患者さんがいると推定されています。極めてアンメットメディカルニーズの高い疾患であり、副作用の少ない治療薬の開発が望まれています。

産官学連携によるSLE治療薬の開発に向けて

Toll様受容体(TLR)は細胞の表面に存在し、病原体などを識別し感知する機能を持つ受容体です。微生物などに特徴的な部位を認識し、病原体を排除するための免疫反応を誘導する働きがあります。過去の研究よりTLRの一種であるTLR7/8がSLEの発症に関わっていると報告されたため、TLR7/8の働きを抑えることでSLEの治療が行える可能性が示唆されています。本研究では、TLR7/8を強力に阻害する機能を持つE6742の実用化に向け、産官学共同でプロジェクトが進められます。

出典元
エーザイ株式会社 ニュースリリース

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