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脊髄性筋萎縮症(SMA)発症前の患者に対するスピンラザ®の治療効果持続を示唆

米バイオジェン社は2020年6月10日(現地時間)、脊髄性筋萎縮症(SMA 指定難病3)について、発症前におけるスピンラザ®(ヌシネルセン)の投与による早期治療を行った試験結果から、その治療効果に対する期待を公表しました。同試験は、遺伝的にSMAとされる発症前の乳幼児を対象に行われ、SMA患者の自然経過と比較して運動機能を維持したまま着実な症状改善を示しました。

筋力が徐々に低下していく遺伝子疾患

SMAは特定の運動神経が障害を受ける神経・筋疾患の一種で、体幹や四肢などの筋が萎縮することで筋力低下を引き起こします。発症時期や重症度によってⅠ~Ⅳ型の4つのタイプに大別されます。特に、生後6ヶ月以内に発症するSMAⅠ型は重症化するとされ、2万人の出生に対し1人が発症すると推定されています。SMAの発症の原因となる遺伝子として運動神経細胞生存遺伝子(SMN遺伝子)であることがわかっています。常染色体劣勢遺伝の遺伝形式をとることが知られており、父親と母親のどちらからも原因遺伝子の変異を受け継いだ場合にSMAを発症します。

SMA発症前のスピンラザ®投与による治療効果を示唆

今回公表されたデータはNURTURE試験と呼ばれる試験のデータを基にしていまう。NURTURE試験は、遺伝学的にⅠ型またはⅡ型を発症する可能性が非常に高いと診断された生後6週間以内の、発症前の被験者を対象とした非盲検の第Ⅲ相試験です。治療を受けた25名全ての被験者で生存が認められ、さらに永続的な人工呼吸器の仕様を必要とする患者はいませんでした。

※NURTURE試験はアメリカをはじめとして行われた試験であり日本では行われていません。SMA発症前のスピンラザ®投与は日本では承認されていません。

出典元
バイオジェン プレスリリース

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