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CDKL5欠損症(CDD)、国際疾病分類(ICD)の疾病コード割り当てが決定

CDKL5遺伝子の機能喪失型変異を原因とする希少な神経発達障害

民間非営利財団のLoulou財団は1月30日、世界保健機関(WHO)の医学的分類リスト「国際疾病分類(ICD)」に希少遺伝性疾患であるCDKL5欠損症(CDD)の疾病コードが、新たに割り当てられることになったと発表しました。

CDKL5欠損症は、CDKL5遺伝子の機能喪失型変異を原因とする希少な神経発達障害です。CDKL5欠損症患者さんは、まず生数週間以内の乳児けいれんを示し、後に難治性てんかんへと進行します。また、重度神経発達遅滞も示し、全身性筋緊張低下、運動機能の障害、言語・視覚の重度障害を伴い、睡眠や胃腸機能の障害、呼吸器の問題も抱えています。

CDKL5欠損症は、約4万出生当たり1例の割合で発生する単遺伝子性小児てんかんのひとつで、米国と欧州だけで推定数千人の患者さんが存在。日本国内の患者数は100名未満と考えられています。現在、CDKL5欠損症の神経発達症状に対する治療薬は存在せず、CDKL5欠損症に伴うてんかんは、従来の抗けいれん薬では管理が不十分とされています。

医療保険の請求や払い戻しへの使用も増えている国際疾病分類

国際疾病分類は、第10版(ICD-10)が最新(2020年1月現在)で、一連の英数字コードを使用して個人の医学的状態を記録します。このコードは臨床研究と臨床ケアに使用され、医療保険の請求や払い戻しへの使用も増えています。

一方、この国際的医学分類でコードが割り当てられていない医学的状態が多く存在します。それらの疾患は、多くの臨床研究では見かけず、保険や医療費払い戻しの利用が困難です。これまでCDKL5欠損症には診断コードが割り当てられていませんでしたが、2020年10月1日のICD改訂版に盛り込まれるそうです。

今回、情報を発信したLoulou財団はCDKL5欠損症治療薬開発の民間非営利財団で、ICD-10コード取得活動を進めていました。同財団の最高開発責任者(CDO)アナ・ミンゴランス博士はプレスリリースで次のように述べています。

「CDDのICD-10コード取得は、私たちの活動分野における重要な成果であり、承認薬を手に入れ、それら治療薬への患者アクセスを保証することに向けた前進となります。CDDのコードを要請した理由の1つは、承認前の最終段階にある臨床試験1件を含め、この疾患を治療できる可能性を持つ治療薬の臨床試験が4件進行しているという点です。CDDにICD-10コードが割り当てられたら、研究から医療費払い戻しまでのすべてで効率が高まります。」

https://www.businesswire.com/news/home/20200130005903/ja/

出典元
LOULOU FOUNDATION AND INTERNATIONAL FOUNDATION FOR CDKL5 RESEARCH AND CDKL5 ALLIANCE プレスリリース
厚生労働省 CDKL5 遺伝子関連てんかん 資料1

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