運動神経に障害生じる難病、iPS細胞で治療法探索
京都府立医科大と医療ベンチャー「幹細胞&デバイス研究所」が、患者由来のiPS細胞で神経難病の病態を再現し、治療法を見つけるプロジェクトを始めました。運動神経に障害が生じるシャルコー・マリー・トゥース病が対象です。この疾患の患者さんは国内に約1万人いると推定されており、病態の解明と治療薬の探索につなげるとしています。
シャルコー・マリー・トゥース病(CMT)は遺伝子の異常による末梢神経疾患で、主な症状は手足の感覚低下や筋力低下です。小さな段差につまずきやすくなる、スリッパが脱げやすくなるといった症状から病気に気付くことがあります。発症や症状に男女差はなく、20歳頃までに発症します。なかには60歳以降に発症する患者さんもいます。CMTの発症の原因と考えられている遺伝子は60種以上明らかになっており、関連遺伝子と発症メカニズムの相関は詳細が明らかになっていません。
現在までに効果的な治療法は確立されていません。今回のプロジェクトは2021年まで続き、現在はiPS細胞から病態モデルとなる細胞株の培養が進められています。