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フィーカリ菌を大腸炎モデルマウスに投与で腸炎発症抑制効果を確認

ニチニチ製薬株式会社は、培養の難しいフィーカリバクテリウム プラウスニッツイ(以下、フィーカリ菌)を大腸炎モデルマウスに投与し、腸炎発症抑制効果を確認することに成功しました。

デキストラン硫酸ナトリウムを摂取させて大腸炎を誘発したマウスに、フェーカリ菌(生菌)、フィーカリ菌(死菌)をデキストラン硫酸ナトリウム投与前(予防)または投与後(治療)にそれぞれ与え。8日後、盲腸下から肛門までの大腸の長さ、体重、便性状、血便性状を比較して、大腸炎の発症について調べました。

デキストラン硫酸ナトリウム摂取すると、すべてのマウスにおいて翌日には軟便が、5日後には血便が見られ、体重が減少し始めました。フィーカリ菌(生菌)を予防的にデキストラン硫酸ナトリウム投与したマウスは便性状、血便性状のスコアが優位に低い値を示し、体重減少も抑えられ、大腸の短縮も軽減していました。一方、治療的にデキストラン硫酸ナトリウム投与後に与えたマウスには効果は認められませんでした。さらに、フィーカリ菌(死菌)では、予防および治療のいずれにおいても、大腸炎の抑制効果は見られませんでした。
こうした結果から、フィーカリ菌(生菌)は、デキストラン硫酸ナトリウム誘発大腸炎の発症を抑制することがわかりました。

フィーカリ菌はヒトの腸内にも存在しており、潰瘍性大腸炎やクローン病の患者においては寛解期に増加し、活動期には減少することが報告されています。今回のような結果より、ヒトにおいても炎症性腸疾患の予防に役立つことが期待できます。

元のニュースはこちらです。

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