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フィラジル皮下注30mgシリンジ、小児の遺伝性血管性浮腫(HAE)治療薬として一変承認を取得

武田薬品工業株式会社は8月24日、選択的ブラジキニンB2受容体ブロッカー「フィラジル(R)皮下注30㎎シリンジ」(一般名:イカチバント酢酸塩、以下「フィラジル」)が、厚生労働省より「遺伝性血管性浮腫(Hereditary Angioedema、以下「HAE」)」の2歳以上の小児に対する用法及び用量の追加に係る製造販売承認事項一部変更承認を取得したと発表しました。

遺伝性血管性浮腫(HAE)は、遺伝子の変異が原因で、体のさまざまな部分の皮膚や粘膜が腫れたり浮腫んだりする疾患です。繰り返し腫れや浮腫みを繰り返す点が特徴です。喉に症状が現れた場合、気道がふさがり呼吸困難を起こし、窒息死する恐れもあります。遺伝性血管性浮腫(HAE)の患者さんは日本国内に推定2,000人~3,000人いると言われています。

疾患に対する日本での認知は低く、未診断の患者さんも多くいると考えられています。日本では初めての発作が起きてから遺伝性血管性浮腫(HAE)と診断されるまでに平均13.8年かかるといわれています。平均11.2歳で発症し、29%の患者さんが就学困難、40%の患者さんが発作のために10日間以上学校や会社を休むことを余儀なくされているとの報告もあり、小児HAE患者さんへの治療選択肢が求められています。

今回の承認は、主に2歳以上18歳未満の小児遺伝性血管性浮腫(HAE)患者さんにフィラジルを皮下注射したときの安全性、有効性及び薬物動態を評価した国内第3相非盲検試験ならびに海外第3相非盲検試験に基づいたもの。これらの試験において、同剤は2歳以上の小児遺伝性血管性浮腫(HAE)患者さんにおける安全性および急性発作に対する有効性がみられました。国内第3相非盲検試験でみられた日本人小児遺伝性血管性浮腫(HAE)患者さんの治療反応は、日本人及び海外の成人並びに海外第3相非盲検試験での小児遺伝性血管性浮腫(HAE)患者さんの治療反応と類似していました。

武田薬品工業のジャパンファーマビジネスユニット希少疾患事業部長である濱村美砂子氏はプレスリリースにて「フィラジルは発作が起こったその場で速やかに治療が可能なHAEの治療薬です。2018年の販売開始以降、成人患者さんの標準治療薬としての実績があるフィラジルを、日本ではじめて小児HAE患者さんに治療選択肢として提供できることをうれしく思います。新たな治療選択肢として一人でも多くの小児HAE患者さんに貢献できるよう尽力してまいります」と述べています。

出典
武田薬品工業株式会社 プレスリリース

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