自由に生きる私の挑戦|石鉢圭一さん:後縦靱帯骨化症(OPLL)

後縦靱帯骨化症(OPLL)と診断された石鉢圭一さんは、 元々のアクティブな心を失わず、前向きに生きる力を示しています。手術や治療を経て、車椅子や杖を使いながらも、外出してレジャーを楽しむなど、日常生活の中で自立と希望を追求しています。
これまでの経緯
- 2009年 狭窄症の診断。四肢の疲労感。特に下肢に顕著な症状。
- 2019年 四肢が動かなくなり、救急車で運ばれ初診。
- 2019年 後縦靱帯骨化症(OPLL)と診断。手術を実施。
病気の詳細
私が患っている後縦靱帯骨化症(OPLL)とは、首を中心とする脊椎の後縦靱帯が骨化して硬くなり、神経を圧迫することで、四肢に疲労感や麻痺、運動機能の低下を引き起こす病気です。
初診時には、首の狭窄症が見られたため、診断後は神経の圧迫を取り除く手術を行いました。
手術の結果、半年の入院生活で、ある程度自力で体を動かすことが可能になりましたが、完全に回復したわけではなく、四肢の一部には麻痺が残っています。
今では、車椅子を使用しながらも、杖での移動も少しの距離であれば可能となりました。
外出する際は電動車椅子と併用して移動しています。
上半身はある程度自由に動くものの、右手が脱力してしまうため、普段は左手でパソコン操作を行っています。元々左利きであるため、多少の不自由さは補える状態です。
この病気は、年齢とともに進行する性質があり、発症は早くても30代、多くは50代前後と、診断されにくい病気です。
実際に日本人の50人に1人が抱えているそうですが、発症が遅かったり、別の病気と同時に患っている場合は気づきにくい病気だそうです。
私の場合は、スーパーの帰り道に北海道の凍った地面で転んでしまい、その瞬間に、四肢が一斉に動かなくなったことが病気の発見に繋がりました。
手術により、ある程度改善されたことも多く、体の動きは手術前の状態と比べれば、少しましになったという実感があります。
病気の進行や症状の変動は個人差があり、私自身も治療やリハビリ、日々の生活の中で体と真剣に向き合うことの大切さを痛感しています。
病気での生活の具体例
手術後、私は以前よりも多少は体が動くようになりましたが、四肢の麻痺が残っているため、長距離を歩くことは難しく、外出する際は必ず電動車椅子を併用しています。
遊園地や動物園、さまざまなレジャー施設にも、電動車椅子で気軽に足を運ぶようにしています。
実際、外に出ることで気分転換にもなり、体調の維持に役立っていると感じています。

また、座りっぱなしでいると体がなまってしまい、身体機能が低下する恐れがあるため、できるだけ体を動かすように心がけています。
私は、かつては、釣りやアウトドアといったアクティブな活動を楽しんでいました。
しかし、30代に入る頃から体力が落ち、35歳になると地元のお祭りに参加することも難しくなりました。
それでも、今は可能な限り外出し、楽しむ努力を続けています。
私の目標は、できるうちにたくさんの場所へ出かけ、アクティブな生活を維持することです。
できることは限界まで楽しむことが、私にとっての自由な生き方なのです。
現在の様子
かつてはコールセンターで働いていた私ですが、後縦靱帯骨化症(OPLL)の影響を受け、現在は、できる範囲で自立した生活をおくることに注力しています。
長時間座っていると体がなまってしまい、身体機能が低下する恐れがあるため、定期的なストレッチや体操を取り入れて生活を維持しています。
今後の目標
これからの私の目標は、できるうちにたくさん外出し、活動的な生活を続けることです。
後縦靱帯骨化症(OPLL)は進行性の病気であり、年齢とともに症状が悪化していく恐れがありますが、私は「できるうちに、いろいろな場所へ行って、たくさんの体験をしたい」と強く願っています。
北海道の公共交通機関は年々減少している現状もあり、移動手段の確保や自分の体調管理がこれまで以上に大切になっていると感じています。
さらに、私は難病の早期発見の重要性にも注目しています。
後縦靱帯骨化症(OPLL)は、遺伝子構造によって発症リスクがある病気であり、将来的には遺伝子検査によって早期に病気を発見できる世界が実現すれば、治療の選択肢が広がると信じています。
そんな未来に向け、私自身も自分の体と真剣に向き合い、定期的な検診や治療に努めながら、今できる最善の生活を送っていきたいと思っています。
同じ病気や境遇の方へのメッセージ

後縦靱帯骨化症は、発症は早くても30代、多くは50代前後に診断されると言われていますが、誰にでも起こりうる病気です。
私自身、以前はアクティブに釣りやアウトドアを楽しんでいましたが、病気の影響で次第に体力が落ち、活動の幅が狭まってしまいました。
しかし、治療やリハビリ、そして日々の生活の中で工夫を重ねることで、少しずつではありますが、以前よりも自分らしい生活を取り戻すことができました。
もし、今のうちに外に出ることができるなら、ぜひその機会を大切にしてほしいと思います。
障害者であるという理由だけで自分を閉じ込めるのではなく、積極的に外に出て、体験し、楽しむことが大切です。
たとえ、家族の影響や不安で外出に踏み出せないという方がいても、自分自身でチャレンジしてみることで、新たな発見や楽しみが見つかるかもしれません。
私の経験が、同じ境遇の方々にとって少しでも希望や勇気となり、外に出るきっかけになれば幸いです。
さいごに
私は後縦靱帯骨化症という難しい病気とともに生きながら、日々の生活の中で自分の可能性を信じ、前向きに歩んでいます。
病気を理由に自分の夢や目標を諦めるのではなく、できるうちに外へ出て、いろいろな体験をすることこそが、私にとっての生きる喜びです。
将来的には、遺伝子検査などの進歩によって、より多くの病気が早期に発見され、適切な治療が行われる世界になってほしいと願っています。
私の生き方が、同じ境遇の方々の背中を押す一助となれば、これ以上の喜びはありません。
どうか皆さんも、自分の体を大切にし、前向きに、自由に生きることを忘れずに歩んでいただきたいです。