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びしょうけっかんしょうがいせいようけつせいひんけつ
微小血管障害性溶血性貧血microangiopathic haemolytic anaemia; MAHA

小児慢性疾患分類

疾患群9
血液疾患
大分類10
微小血管障害性溶血性貧血
細分類20
微小血管障害性溶血性貧血

病気・治療解説

概要

微小血管障害性溶血性貧血(MAHA)は様々な原因疾患を背景に細小血管で微小血栓が形成され赤血球破砕が起こる病態である.血栓性微小血管障害症(thrombotic microangiopathy : TMA)や播種性血管内凝固(disseminated intravascular coagulation:DIC)は主たる病因となる.近年,von Willebrand因子(VWF)の特異的切断酵素であるADAMTS13(a disintegrin-like and metalloproteinase with thrombospondin type 1 motifs 13)に関する研究が飛躍的に進歩する中で,血小板血栓主体のTMAとフィブリン血栓主体のDICは明確に区別されるようになってきた.TMAとは①クームス試験陰性のMAHA(破砕赤血球を伴う貧血,ハプトグロビン低下,LDH上昇,間接ビリルビン上昇などを伴う),②消耗性の血小板減少,③微小循環障害による臓器障害を3主徴とする疾患概念であり,血栓性血小板減少性紫斑病(thrombotic thrombocytopenic purpura : TTP)と溶血性尿毒症症候群(hemolytic uremic syndrome : HUS)が含まれる.両疾患は明確に区分できない場合があり,その代表が造血幹細胞移植後TMA(SCT-TMA)である.HUSは志賀毒素産生腸管出血性病原大腸菌(Shiga toxin-producing Escherichia coli : STEC)に起因するSTEC-HUSと,下痢症状を伴わない非定型HUS(atypical HUS : aHUS)に大別される.このようにMAHAは多岐にわたる疾患を含む病態である.以下,STEC-HUS,aHUS,SCT-TMA,DICのそれぞれについて概説する.広汎な疾患概念を包括する非常に複雑な病態であるが,近年,診断や治療に関するガイドラインが整備されつつある.HUSとDICに関しては2014年3月時点で本邦における診断・治療のガイドラインが作成されており,本稿もその内容に従った.SCT-TMAに関しては,造血細胞移植ガイドラインGVHD(日本造血細胞移植学会)の「資料3.Thrombotic microangiopathy(TMA)」の項も一部参照した.詳細は各々のガイドラインを,また,TTPに関しては,別項「血栓性血小板減少性紫斑病」を参照されたい.

播種性血管内凝固症候群

志賀毒素産生腸管出血性病原大腸菌による溶血性尿毒症症候群

造血幹細胞移植後血栓性微少血管障害症

非典型溶血性尿毒症症候群

小児慢性特定疾患情報センターhttps://www.shouman.jp/より、許可をいただき掲載しております。

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