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造血幹細胞移植後血栓性微少血管障害症thrombotic microangiopathy : TMA

小児慢性疾患分類

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病気・治療解説

定義

造血幹細胞移植後に,微小血管に血管内皮細胞障害,血管壁の硝子様変性を伴う肥厚からなる微小血管障害(microangiopathy)をきたし,虚血性臓器障害を呈する疾患である.

病因

移植前処置の大量化学療法や放射線照射,カルシニューリン阻害剤をはじめとした免疫抑制剤,血管親和性の高いサイトメガロウイルス(CMV)などの感染症や移植片対宿主病(GVHD)の関与など,様々な要因により微小血管の内皮細胞障害が惹起されることが病因として考えられている.

疫学

2005年以前は診断基準があいまいで,発症頻度は造血幹細胞移植後の0.5~75%と報告により非常に大きなばらつきを認める.

臨床症状

MAHA,輸血不応の血小板減少に加え,中枢神経障害,腎障害,虚血性腸炎などの臓器障害による臨床症状を呈する(TMAの3主徴).下痢,発熱,黄疸,中枢神経症状,下血などが主要症状であり,急性GVHDとの鑑別が問題となる.急性GVHD対策としてカルシニューリン阻害剤を主体とした免疫抑制療法を強化すると,TMA症状は逆に増悪する負のサイクルに陥るので注意を要する.TTPと異なりADAMTS13は著減せず,病理学的にはaHUSに類似するが,補体に関してはC3,C4,CH50は正常であることが報告されている(一部でH因子抗体が検出された報告例もあり).

診断

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治療

確立された治療法はない.一般的な治療は,増悪因子であるカルシニューリン阻害薬の減量,中止である.古典的TTPと異なり,SCT-TMAでは血漿交換の有効性は示されていない.新鮮凍結血漿輸注,抗血小板剤,蛋白分解酵素阻害剤,ステロイドなどさまざまな治療法は,明らかな有効性が示されていない.

予後

いったん病態が完成すると予後不良で,死亡率は60~90%と報告されている.いかに早期にSCT-TMAを診断し,免疫抑制剤の減量などの治療介入に踏み切れるかが重要である.

参考文献

1.松本雅則.移植後TMAの病態と治療.臨床血液.2013; 54: 1958-1965.
2.造血細胞移植ガイドラインGVHD.
https://www.jshct.com/modules/guideline/index.php?content_id=1
3.Ho VT, et al. Blood and marrow transplant clinical trials network toxicity committee consensus summary: thrombotic microangiopathy after hematopoietic stem cell transplantation. Biol Blood Marrow Transplant. 2005; 11: 571-575.
4.Ruutu T, et al. European Group for Blood and Marrow Transplantation; European LeukemiaNet. Diagnostic criteria for hematopoietic stem cell transplant-associated microangiopathy: results of a consensus process by an Inernational Working Group. Haematologica. 2007; 92: 95-100.
5.Stavrou E, Lazarus HM. Thrombotic microangiopathy in haematopoietic cell transplantation: an update. Mediterr J Hematol Infect Dis. 2010; 2(3): e2010033.

小児慢性特定疾患情報センターhttps://www.shouman.jp/より、許可をいただき掲載しております。

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