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ふぁぶりーびょう
ファブリー病Fabry disease

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病気・治療解説

概要

ファブリー病はライソゾームに存在する加水分解酵素の一つであるα-ガラクトシダーゼ活性の低下により、その基質であるグロボトリアオシルセラミドが、血管内皮細胞、平滑筋細胞、汗腺、腎臓、心筋、自律神経節、角膜に蓄積し、腎障害、脳血管障害、虚血性心疾患、心筋症、皮膚病変、四肢末端痛、角膜混濁などを生じる。X染色体劣性遺伝形式をとるが、ヘテロ結合体の女性も発症する。

疫学

典型的なファブリー病の発症率は、欧米人で40000人に1人と推定されていたが、左室肥大や心筋症の中での心ファブリー病の頻度は3〜4%とされ、透析患者のスクリーニングでは約1%、台湾での新生児スクリーニングでは約1300人に1人という報告もあり、ファブリー病全体の実際の頻度は10000人に1人くらいではないかとも言われている。多くが、学童期までに発症する。

病因

細胞内ライソゾームで機能する加水分解酵素の一つであるα-ガラクトシダーゼ(α-Gal)の遺伝子変異により、酵素活性の低下を来たし、その基質であるグロボトリアオシルセラミド(GL-3)がおもに蓄積して全身組織に障害を引き起こす。特に血管内皮細胞、平滑筋細胞、汗腺、腎臓、心筋、自律神経節、角膜などで病変を呈する。

症状

典型的なファブリー病では、幼児期以降もしくは学童期から生じる手足の痛み(四肢末端痛)や汗をかきにくいこと(低汗症や無汗症)、それによる体温の上昇を認める。その後、蛋白尿や被角血管腫、20代になると角膜混濁、腎障害、脳血管障害、心肥大を認めるようになる。この他、難聴、下痢などの消化器症状、精神症状を認める。学童期までの典型的な症状を呈さずに、成人期になり、心障害のみを認める心亜型や腎障害のみの腎亜型の遅発型がある。ヘテロ接合体である女性患者では、無症状から重篤な臓器障害を有する症例まで、臨床症状は多彩である。

診断

診断の手引き

治療

酵素補充療法、シャペロン療法、対症療法がある。対症療法としては、四肢末端痛にカルバマゼピンが有効で、腎障害にはACE阻害薬やARB、腎不全には血液透析、心病変や脳血管病変に対しては抗不整脈薬、抗血小板療法などを用いる。新規治療法として、2018年3月に承認されたシャペロン療法があり、酵素に対する競合阻害作用を有する低分子化合物を作用させることにより、変異蛋白質の細胞内での安定性を高めることで、酵素活性を維持する働きを示す。遺伝子変異により有効な症例と効果の無い症例があること、また適応が16歳以上であることなどの制約はあるが、点滴による酵素補充療法とは異なり、内服薬であることが利点である。

予後

ファブリー病男性患者の平均死亡年齢は48.53歳とされていたが、対症療法の進歩と酵素補充療法、シャペロン療法により、予後は劇的に改善するものと期待されている。

成人期以降

学童期までに、初期の症状を呈することがほとんどであるが、診断に時間がかかり、多くは成人期に診断されているので、蛋白尿、心肥大、慢性下痢などを認める成人では、幼少期の手足の痛みや汗のかきにくさなどを問診することが大切である。酵素補充療法、シャペロン療法をはじめ、種々の治療により、自覚症状の軽減を認めるため、治療を受けるのみで精密検査の間隔が空いてしまい、微小脳血管障害や不整脈を認めたり、腎機能障害が進行する例もあり、定期的な検査が重要である。

小児慢性特定疾患情報センターhttps://www.shouman.jp/より、許可をいただき掲載しております。