もやもや病の新たな遺伝的要因と関連細胞を発見
東京大学は3月2日、内頚動脈終末部の狭窄と側副血行路の発達を特徴とし、脳梗塞や脳出血などの脳血管イベントを起こす、原因不明の指定難病であるもやもや病の日本人集団を対象とした大規模ゲノムワイド関連解析を行い、既知の変異に加えて、HDAC9-TWIST1遺伝子間領域に存在する遺伝子多型がその発症に関連していることなどを同定したと発表しました。
もやもや病(指定難病22)は、脳の血管が徐々に細くなり、血流を補うために異常な細い血管が形成される脳血管疾患で、脳梗塞や脳出血を引き起こす原因となります。これまで、もやもや病の発症には特定の遺伝子変異が強く関与していることが知られていましたが、それ以外の遺伝的な要因や、そのリスクがどの細胞で機能しているのかは十分に解明されていませんでした。
今回、研究グループは、日本人集団を対象とした大規模なゲノム解析を実施。その結果、すでに知られているRNF213 p.Arg4810Lys(rs112735431-A)変異に加えて、HDAC9-TWIST1遺伝子間領域に存在する遺伝子多型がその発症に関連していることを突き止めました。また、RNF213 p.Arg4810Lys(rs112735431-A)変異を用いた解析の結果、同遺伝子内に新たな疾患感受性領域があることを同定。さらに、もやもや病患者の浅側頭動脈を用いた単一核 RNA シークエンス解析を組み合わせることで、疾患関連遺伝子群が間葉系マーカーを発現した内皮細胞(間葉系様内皮細胞)に集約することが明らかになりました。


以上の研究成果により、もやもや病の発症の仕組みの解明が進み、将来的には発症のリスク予測法や新しい診断法、有用な治療薬の開発につながることが期待されています。
なお、同研究の成果は、アメリカ心臓協会(AHA)の科学誌「Stroke」オンライン版に3月2日付で掲載されました。
