サフネロー皮下注、全身性エリテマトーデスに対する新たな治療薬として日本で承認を取得
アストラゼネカ株式会社は2月19日、既存治療で効果が不十分な全身性エリテマトーデスに対する新たな治療薬として、「サフネロー皮下注120mgオートインジェクター(一般名:アニフロルマブ)」が日本国内で承認を取得したと発表しました。
全身性エリテマトーデス(指定難病49、SLE)は、免疫系が体内の細胞や組織を攻撃してしまう慢性の自己免疫疾患です。20代から40代の就労世代での発症が多く見られます。皮膚症状や関節炎、腎臓の病変など全身に症状が及ぶため、身体機能の低下や就労への影響など、生活の質を著しく低下させる可能性があります。また、定期的な通院は患者さんにとって時間的、身体的、経済的な負担となる場合があります。
サフネロー皮下注は、I型インターフェロン(IFN)受容体のサブユニット1に結合しI型IFNの活動を阻害する完全ヒト型モノクローナル抗体です。同剤は、2025年12月に欧州連合で承認されており、現在世界各国の規制当局による審査が進められています。
今回の承認は、中等症から重症の成人患者さんを対象に行われた第III相臨床試験の結果に基づいたものです。この試験結果により、サフネロー皮下注の有効性と安全性が確認されました。これまでは点滴静注による投与が行われていましたが、新たに皮下注射という選択肢が加わることになります。
同試験では、治療開始前の段階でグルココルチコイドを1日あたり10mg以上使用していた患者さんにおいて、サフネローを投与されたグループの7割以上が、40週目までにグルココルチコイドの使用量を1日7.5mg以下に減らし、その状態を52週目まで維持できたことが確認されました。これは、有効成分を含まないプラセボを投与されたグループの約5割を大きく上回る結果です。さらに、投与から52週目の時点で、サフネローを投与されたグループの約3割が、症状が落ち着いた寛解した状態であることも示されました。また、この臨床試験においてサフネロー皮下注射は患者さんの体において、おおむね良好に受け入れられており、安全性についても、すでに承認されている点滴注射と同等であることが確認されています。
産業医科大学医学部の分子標的治療内科学特別講座特別教授であり、日本リウマチ学会理事長の田中良哉先生はプレスリリースにて、「本試験で示されたサフネロー皮下注製剤の結果は治療を必要としているSLE患者さんにとって希望となります。近年のSLEの治療では、寛解あるいは低疾患活動性の達成を治療目標とし、そのうえでグルココルチコイドを可能な限り速やかに減量・中止することが推奨されています2。しかし、いまだ多くの患者さんはその治療目標を達成することができていません。点滴静注製剤に加え、新たに皮下注製剤という選択肢が加わることは、患者さんの生活状況に合わせた治療選択を可能にし、より良い治療目標の達成と患者さんの通院負担の軽減や治療継続につながる可能性があると期待しています」と述べています。
また、アストラゼネカの執行役員 研究開発本部長のヴィクラム チャンド氏は、「今回の承認により、サフネローは点滴静注に加えて皮下注という投与選択肢を提供できるようになりました。治療方法や場所に関する患者さんの選択肢を広げ、社会生活の維持や治療継続に、今以上に貢献できる可能性があると期待しています」と述べています。
