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肺高血圧症の血管を厚くするメカニズムと新薬の効果を解明

神戸薬科大学の研究グループは4月15日、心臓と肺に重い負担がかかる指定難病の肺高血圧症において、血管が異常に厚くなるメカニズムを解明したと発表しました。

肺動脈性肺高血圧症(指定難病86)は、肺の血管が異常な増殖を繰り返して厚く硬くなり、肺の血圧が上がることで息切れや心不全を引き起こす疾患です。これまでの治療は狭くなった血管を広げることが中心でした。しかし今回の研究により、病気の肺ではタンパク質の一種であるアクチビンAが溢れて、いわば「悪循環の司令塔」となり、細胞のスイッチを押していることが突き止められました。スイッチが入るとエンドセリン-1という強力な血管収縮物質が大量に増産され、血管を収縮させると同時に筋肉を異常に増殖させることで、血管を厚く塞いでしまうことが明らかになりました。

画像はリリースより

2025年に承認された新薬のソタテルセプトは、これまでの薬とは全く違うアプローチで血管の構造そのものを作り直す驚異的な効果を見せていますが、その理由も解明されました。

今回、研究グループは、ソタテルセプトがアクチビンAによる増産命令のルートを遮断することで劇的な効果を発揮しているという科学的な裏付けを世界で初めて示しました。

今回の発見によって、従来の血管を広げる治療から血管を元の健康な状態に戻す治療への転換が加速するとされています。また、患者さんの血液中にあるアクチビンAの量を測定することで事前に薬の効き目を予測できるようになる可能性があり、日本発の新しい治療法の開発につながることが見込まれています。

なお、同研究の成果は、米国心臓協会(AHA)発行の学術誌「Arteriosclerosis, Thrombosis, and Vascular Biology(ATVB)」に掲載されました。

出典
神戸薬科大学 プレスリリース

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