【日韓】小野薬品、米Vertex社がIgA腎症・原発性膜性腎症などの治療薬として開発中のPovetaciceptに関する独占ライセンス契約を締結
小野薬品工業株式会社は6月23日、米Vertex社が開発中のPovetaciceptについて、日本、韓国で独占的に開発および商業化する独占ライセンス契約を6月20日付で締結したと発表しました。
Povetaciceptは、BAFFとAPRILという2つの因子に作用する遺伝子組換え融合タンパク質であり、非臨床試験では他のBAFF阻害薬やAPRIL阻害薬による単剤治療薬と比較して、高い結合親和性と優れた効果を示しています。IgA腎症および原発性膜性腎症の患者さんを対象とした臨床試験においても、その有効性が期待されています。また、IgA腎症や原発性膜性腎症のほか、他の自己免疫性腎疾患や自己免疫性血球減少症など、複数の重篤なB細胞介在性疾患の治療薬としても開発が進められています。
小野薬品は、これまでの開発ノウハウを基に、日本、韓国におけるPovetaciceptの臨床開発の実施および製造販売承認取得を担います。また、承認取得後、当該地域でのPovetaciceptの販売を単独で担います。今回の契約には、IgA腎症および原発性膜性腎症を含み、開発の進捗に応じてその他適応症も追加されるとしています。
小野薬品の滝野十一代表取締役社長はプレスリリースにて、「Vertex社は、重篤な疾患に対する革新的な治療薬の開発において素晴らしい実績を有しております。今回の戦略的提携により、小野薬品の重点領域である免疫領域での開発後期段階のパイプラインを強化することができます。我々は、日本、韓国のIgA腎症およびその他の自己免疫疾患の患者さんに新たな治療選択肢を提供し、その価値最大化に向けて、Vertex社と提携できることを楽しみにしています」と述べています。
また、Vertex社のReshma Kewalramani最高経営責任者は、「小野薬品は、日本と韓国において確立されたプレゼンスと腎臓病領域における高い専門性を有するリーディング企業であり、日本、韓国の何千人もの患者さんにPovetaciceptを届けることを目指すVertexにとって理想的なパートナーです。我々は、小野薬品と提携できることを非常に嬉しく思うとともに、Povetaciceptが IgA腎症、原発性膜性腎症およびその他の重篤なB細胞介在性疾患に対するベストインクラスの治療薬となるよう、同社との緊密な提携を進めていけることを楽しみにしています」と述べています。