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脳内のグリアとてんかんの重篤化メカニズムをモデルマウスで解明

東北大学をはじめとする研究グループは、動物実験において脳内のグリア細胞の一種であるアストロサイトがてんかんの重篤化に繋がるメカニズムを解明したと発表しました。これまでに開発された抗てんかん薬とは異なり、アストロサイトをターゲットにした新たな治療戦略にも繋がると期待されています。

てんかんは脳神経の過剰な興奮により発作が引き起こされる疾患です。全人口のうち約1%がてんかんを患っていると推定され、そのうちの約30%は既存の薬では治療が難しい難治性てんかんであるとされています。てんかん重篤化の原因のひとつにKイオンクリアランス機能が破綻していると考えられていますが、アストロサイトにおいてどのようなメカニズムで機能が破綻するかは不明でした。

本研究グループはドイツの研究グループと共に疾患モデルマウスを用いて、マウス脳の細胞内外のイオンの動きを測定しました。その結果、神経の過剰な興奮が脳内のグリア細胞の一種であるアストロサイトに可塑的な変化を引き起こし、てんかんの重篤化に繋がることを明らかにしました。また、アストロサイトの変化を抑制することで、てんかんの重篤化も阻止出来ました。この結果は、神経細胞を標的とした既存の治療薬とは異なる、新たな治療法にも繋がることが期待されています。

出典元
東北大学 プレスリリース

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