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同じ難病の人の助けに|好酸球性多発血管炎性肉芽腫症 (EGPA)闘病記|リサさん

膠原病の一種である好酸球性多発血管炎性肉芽腫症 (Eosinophilic Granulomatosis with Polyangiitis: EGPA、以下 EGPA) と診断されたリサさんは、同じ境遇で苦しんでいる患者さんの助けになりたい、疾患理解をもっと広めたいという思いから、ウェブサイトを立ち上げて情報発信を続けています。今回はリサさんご自身のことや、運営するサイトのご紹介をします。

発症から診断まで

リサさんは、アメリカに住んでいた2012年にEGPAと診断されました。ぜんそくや副鼻腔炎・全身血管炎をはじめとするさまざまな症状に苦しみ、寝たきりになるまで状態が悪化しました。多くの医師の診察を経てもわからなかった病名ですが、一人の医師に出会った結果、EGPAの診断に至りました。

2009年初頭    ぜんそくや副鼻腔炎の症状が出る
2011年4月頃    完全な嗅覚障害・味覚障害を発症
          このころから呼吸困難が悪化し、歩けなくなる
2011年8月     鼻ポリープ(鼻茸)や鼻中隔の手術
2011年11月    再発・再手術
2012年2月     両足に紫斑が現れ、全身血管炎発症。寝たきり・車椅子に。
2012年4月末    EGPAおよび 好酸球性副鼻腔炎 確定診断

ウェブサイト立ち上げのきっかけ

現在の活動:患者目線のEGPA情報サイト『好酸球さんとEGPA』

リサさんは海外で働きながら確定診断が降りるまで原因不明の症状と闘い、長く不安な生活を送ってきました。リサさんが診断された2012年と比較すると、現在は多くの情報を入手しやすくなりました。しかし、EGPAは膠原病の中でも希少性が高く、周囲の理解や興味関心が低いため、一人で病気に悩んでいる人も少なくありません。そこで、リサさんは、EGPAとの長い共存の中で患者さん同士が情報共有しあうこと、新たにEGPAの診断を受けた方が楽に回復方法などの情報を得られることを目的に、患者目線のEGPA情報サイト『好酸球さんとEGPA』を立ち上げました。

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好酸球さんとEGPA』は、EGPAと好酸球性副鼻腔炎(EGPAの症状の一つで単体でも指定難病306に指定)の情報を掲載しています。患者本人だけでなく、患者さんのご家族や友人など周囲の方にもわかりやすいように、難しい医療用語を避け患者目線で発信していることが特徴です。項目には、『EGPA基本情報』や、患者たちの闘病エピソードをまとめた『患者闘病記』、EGPAの患者たちが実践する症状緩和のための『セルフケア』、難病患者が受けられる『公的支援』、EGPA最新情報を集めた『ニュース』などがあります。EGPA患者さんの実際の闘病体験をつづった『闘病記』では、国内から海外の患者さんの話もあり、さまざまな内容の体験記を読むことができます。EGPAおよび好酸球性副鼻腔炎の闘病日記を書いている方のブログも登録することができます。


また、Facebook 上で、EGPA と好酸球性副鼻腔炎の患者オンラインサロン『チームEGPA』を運営しています。日頃から活発に患者同士で通院・入院や治療法などの情報を積極的に共有しあっています。さらに、2021年からはオンラインミートアップもはじめました。
その他、リサさん本人の確定診断当時の2012年から今に至るまでの闘病エピソードや前向きに病気と生きる毎日の小話などが読める個人ブログ『前向きリサ☀カリフォルニア with 難病 EGPA』があります。既存のEGPA患者さんはもちろん、診断されたばかりの方、EGPAの疑いがある方、同じ膠原病(自己免疫疾患)の方など、皆様ぜひ読んでみてください。

リサさんから読者の方へメッセージ

「一人で悩まないでほしい。体がつらい時、少しでも楽をして情報を得て欲しい。」
そんな想いで、ウェブサイトやオンラインサロンを立ち上げました、リサです。
日本国内だけではなく世界的にも珍しいEGPA。長い間、診断を受けた多くの人が必死でネット情報やブログを探しても、「情報がない」、「専門的な言葉のサイトしかない」、といった状況でした。そんな不安を軽減し、少しでも治療に専念して欲しいと思っています。全身症状からくる倦怠感や痛みは、闘病期間が長くなればなるほど周囲の理解を得ることは難しくなり、昔は自己免疫疾患(膠原病)が『なまけ病』と揶揄された時代もありました。また、治療法がなく終わりのない難病を目の前に絶望を感じたり「なんで私が?」といった答えのない自問自答をしたりしました。しかし、患者同士で共感することで、前向きになることができることもあります。チームEGPAの仲間は元気で温かい人が本当に多くて、あなたの状態を否定することは決してありません。私自身皆さんにとてもよくしてもらっています。あなたは決して一人ではありません。

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)とは

EGPA(好酸球性多発血管炎性肉芽腫症)は、血管に壊死性の炎症が起こる原因不明の疾患です(指定難病45)。血管外の壊死性肉芽腫・好酸球の増多・好酸球の組織浸潤を特徴として、脳・心臓・肺・神経系など全身のあらゆる場所に症状が見られます。これらすべての特徴や症状が併発するとは限らず、個人差があると言われています。治療に用いるステロイドや免疫抑制剤の副作用で感染症にかかりやすくなったり、けがの治りが遅くなったりとQOL(生活の質)にも大きく関わることから、周囲の理解が大切です。

EGPA情報サイト『好酸球さんとEGPA』
https://egpa.oneocha.com/
Facebook: https://www.facebook.com/EGPAinfo
Twitter: https://twitter.com/EGPA_info

個人ブログ『前向きリサ☀カリフォルニアwith 難病 EGPA』
https://www.oneocha.com/
Facebook: https://www.facebook.com/LisaEGPA
Twitter: https://twitter.com/maemuki_EGPA
Instagram: https://www.instagram.com/lisa.egpa/

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