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パーキンソン病におけるαシヌクレインの神経毒性に関係するT64リン酸化の存在が明らかに

新潟大学脳研究所は6月1日、パーキンソン病におけるαシヌクレインの神経毒性に関係すると考えられるT64リン酸化の存在を明らかにしたと発表しました。

パーキンソン病は、手足のふるえ、動きの鈍さ、転倒しやすさなどの症状が現れる疾患です。50歳以上の患者さんが多く、まれに40歳以下でも発症する場合があります。

これまでパーキンソン病の病態においてαシヌクレインが重要だと指摘されてきましたが、αシヌクレインがパーキンソン病において毒性を発揮する分子的なメカニズムは、明らかになっていませんでした。

今回の研究では、加齢とともにパーキンソン病に類似した病理を呈する魚(アフリカメダカ)の脳およびヒト剖検脳におけるαシヌクレインの翻訳後修飾を解析し、αシヌクレインT64リン酸化がパーキンソン病において増加することを見出しました。

また、T64リン酸化がαシヌクレインの特性を変化させ、異常な複合体形成し、毒性を発揮させることが明らかになりました。これらの発見は、パーキンソン病の病態解明と今後の新たな治療開発に役立つことが期待できます。

画像はリリースより

新潟大学脳研究所の松井秀彰教授は、「本研究成果は、神経難病の1つであるパーキンソン病の病態解明に貢献するものであり、今後も引き続き解析を続けていきます。そして、パーキンソン病のより詳細な病態解明および治療開発、さらに発症機序の解明と超早期の予測・予防法開発に結び付けたいと考えています」と述べています。

なお、同研究 は、京都大学、筑波大学、関西医科大学、永生病院脳神経内科との研究プロジェクトであり、 成果は、米国科学アカデミー紀要「Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America」に、5月30日付で掲載されました。

出典
新潟大学脳研究所 プレスリリース

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