オファツムマブ、再発型多発性硬化症 (RMS)に対する承認をFDAより取得
ノバルティス (スイス) はオファツムマブについて、再発型多発性硬化症 (RMS) (将来的に多発性硬化症となりえる患者が初めて臨床症状を示した状態、再発寛解型、および再発を伴う二次性進行型を含む) に対し、米国食品医薬品局 (FDA) より承認を取得したことを発表しました。オファツムマブはオートインジェクターを備えており、自己注射により月に1回投与するB細胞治療法です。
多発性硬化症に対するオファツムマブの治療効果
オファツムマブは慢性リンパ性白血病 (CLL) の治療薬として、2009年にFDAより承認されました。B細胞は多発性硬化症 (MS) を含む自己免疫疾患の発症に関わっていることから、再発型多発性硬化症 (RMS) に対する臨床開発プログラムが始まりました。オファツムマブは完全ヒト抗CD20モノクローナル抗体であり、B細胞上のCD20に結合し、B細胞を溶解させます。現在日本国内では、オファツムマブはMSの治療薬として開発が進められています。また、日本における自己注射剤の適応については未定です。
臨床試験により有効性を確認
今回の承認に先立って行われた臨床試験であるASCLEPIOS IおよびⅡ試験では、オファツムマブ投与群は対照となるteriflunomide投与群と比べ、年間再発率をそれぞれ51%および59%と大幅に減少させました。オファツムマブ投与群およびteriflunomide投与群はどちらも、重篤な感染症や悪性腫瘍の発現率などについて同程度の安全性プロファイルを有していました。さらに、オファツムマブはRMS患者に対し、新たな疾患活動を抑制する効果も示されました。