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セルメチニブ、神経線維腫症1型を対象に希少疾病用医薬品の指定を取得

アストラゼネカ株式会社は6月22日、セルメチニブ硫酸塩(セルメチニブ)が神経線維腫症1型(NF1 指定難病34)の治療薬として、厚生労働省より希少疾病用医薬品に指定されたと発表しました。NF1はレックリングハウゼン病とも呼ばれ、特徴的な皮膚病変が見られるほか、運動機能不全や視覚障害、骨の形成不全が引き起こされます。

小児期から重大な被害がみられる希少疾患

神経線維腫症1型(NF1)は、約3000人の出生につき1人程度の割合で生じる遺伝性の疾患です。常染色体優性遺伝の遺伝形式をとることが知られています。遺伝性の疾患でありながら、突然変異によって発症する症例も見つかっており、日本国内の患者数は約4万人程度と推定されています。皮膚あるいは皮下の柔らかい塊、ミルクコーヒー色をした色素斑の沈着(カフェ・オ・レ斑)、叢状神経線維腫が症状としてあらわれます。特に叢状神経線維腫は約半数の患者でみられ、外見の変化だけでなく、運動機能障害や気道機能不全、視覚障害も引き起こします。症状や重症度は患者により大きく異なります。

国内での迅速な承認に向けて

セルメチニブはアストラゼネカとMSDが共同で開発した薬剤で、アメリカでは2020年4月に一部のNF1小児患者を対象に承認されました。叢状神経線維腫がみられる症例を適応とした承認についても現在審査中であり、その他の地域でも承認申請を検討中です。日本国内における希少疾病用医薬品は、厚生労働省が認めた特定の医薬品について、開発に必要な研究費への助成や優先的な治験相談、優先審査などを受けられる制度です。希少疾病よう医薬品に指定されるためには、対象となる患者数が国内で50,000人以下であること、代替となる治療法などがなく医療上の必要性が高いこと。などの複数の条件を満たす必要があります。

出典元
アストラゼネカ プレスリリース

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