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細菌叢由来ペプチドを標的とした特発性肺線維症の新たな治療法開発へ

三重大学は5月15日、三重大学マイクロバイオーム研究センターの研究課題が令和8年度の日本医療研究開発機構(AMED)難治性疾患実用化研究事業に採択されたと発表しました。

今回採択されたのは、三重大学の研究グループによる「細菌叢由来ペプチドを標的とした特発性肺線維症の革新的治療法の開発」です。

画像はリリースより

特発性肺線維症は、肺が進行性に線維化して硬くなっていく指定難病であり、根本的な治療法が確立されていないため予後が非常に悪いことが知られています。

同研究グループは、三重大学戦略的リサーチコアの一つであるマイクロバイオーム研究センターとして、これまで肺線維症の病態解明の研究を続けてきました。その過程で、マウスの線維化した肺組織からブドウ球菌の一種であるStaphylococcus nepalensisが産生するペプチド「corisin」を発見しました。corisinは、肺の細胞に直接作用し、プログラム細胞死であるアポトーシスや、上皮細胞が線維化しやすくなる上皮間葉転換、さらには細胞の機能が低下する細胞老化などを引き起こすことが明らかになっています。これらの作用により、corisinが肺の線維化を促進するメカニズムの一端が解明されました。

今回の研究事業では、このcorisinを画期的な治療標的と捉え、ヒトでの臨床応用を見据えた形で動物実験による検証を進める計画です。細菌叢由来の因子を阻害するという新しいアプローチにより、特発性肺線維症の治療薬開発が期待されます。

出典
三重大学 プレスリリース

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