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副腎白質ジストロフィーの診断マーカー生成メカニズムを解明

帝京大学、岐阜大学、静岡県立大学の研究グループは2月4日、副腎白質ジストロフィーの診断マーカーとなる物質「C26:0-リゾホスファチジルコリン」が、細胞内でどのように作られるのかを解明したと発表しました。

副腎白質ジストロフィー(指定難病20)は、生まれつき遺伝子に異常があることで極長鎖脂肪酸と呼ばれる物質が体内に蓄積し、脳の神経障害や副腎の機能低下を引き起こす病気です。一度失われた脳の機能を元通りに回復させることは難しいため、発症前の早期に発見し、造血幹細胞移植などの治療を行うことが重要とされています。

早期発見のために行われている新生児スクリーニング検査では、「C26:0-リゾホスファチジルコリン」という物質が診断の目印として使われています。しかし、患者さんの体内でなぜこの物質が増えるのかについては、これまで詳しく分かっていませんでした。

今回、研究グループは、C26:0-リゾホスファチジルコリンのもと(前駆体)となる物質に着目して研究を行いました。その結果、「LPLAT10」と呼ばれる酵素が、診断マーカーの産生に重要な役割を果たしていることを発見しました。実際に、患者由来の細胞でこの酵素の働きをなくす実験を行ったところ、C26:0-リゾホスファチジルコリンが減少することが確認されました。さらに、コンピュータを用いたシミュレーションにより、この酵素が働く仕組みを原子・分子レベルで明らかにすることにも成功しました。

画像はリリースより

以上の研究成果より、診断マーカーが作られる仕組みが明らかになりました。将来的には病気の進行をより正確に予測できるような診断法の開発につながる可能性があります。また、副腎白質ジストロフィーが発症する詳しいメカニズムの理解も進むと期待されます。

なお、同研究の成果は、科学雑誌「ジャーナルオブリピッドリサーチ」に2025年12月30日付で掲載されました。

出典
帝京大学 プレスリリース

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