SOD1-ALSにおけるクアルソディの長期データが医学誌に掲載
米バイオジェン社は2025年12月22日、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療薬「クアルソディ(一般名:トフェルセン)」を評価する、完了した第III相VALOR試験および非盲検延長(OLE)試験の最終結果が、「Journal of the American Medical Association(JAMA)Neurology」に掲載されたと発表しました。
筋萎縮性側索硬化症(指定難病2、ALS)は、手・足・のどの筋肉や呼吸に必要な筋肉が徐々にやせて力がなくなっていく疾患です。
クアルソディは、スーパーオキシドジスムターゼ1(SOD1)遺伝子に変異がある成人のALS患者さんを対象とした薬剤です。現在、世界44カ国で承認を取得しています。
今回発表された試験結果によると、クアルソディによる治療を早期に開始することで、臨床機能や呼吸機能、筋力の低下を遅らせることが数値的に示されました。さらに、死亡や永続的な呼吸器装着のリスクも低下したとのことです。筋萎縮性側索硬化症(ALS)の自然な経過では報告されていない現象として、薬剤の投与を受けた患者さんの一部において、失われた機能と筋力が3年以上にわたり回復を示したことも明らかになりました。
本試験の治験責任医師であるワシントン大学医学部ALSセンター長のティモシー・ミラー先生はプレスリリースにて、「ALSの患者さんにとって、不可逆的な筋力低下はこの疾患の特徴的な症状です。クアルソディの臨床試験では、早期治療開始群の被験者の27%で約3年間の試験期間に筋力の改善が認められました。ALSの自然経過ではこのようなことは起こりません。これまで、SOD1-ALSの患者さんとは、病気の進行をいかに最善に管理するかを話してきましたが、現在では、いかに最大限の改善を獲得するかということも含まれるようになりました」
バイオジェン社の神経筋疾患開発部門長であるStephanie Fradette氏は「VALOR試験およびOLE試験の最終データは、適切な標的と適切な治療アプローチにより、ALSの疾患の経過に意義ある影響を与え、この深刻な疾患とともに生きる人々の予後を改善する可能性をさらに強調しています。これらデータに裏付けられて、治療によるニューロフィラメントの減少は、将来の研究を加速させるための早期意思決定を推進する評価項目として現在使用されています。長年にわたりクアルソディの開発に貢献してくださった治験参加者とその介護者の方々、治験責任医師、治験実施医療機関のスタッフの皆さまのご協力なくしては成しえなかったことであり、この進捗を共有できることをうれしく思います」と述べています。
