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慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)と多巣性運動ニューロパチー(MMN)に対して開発中のEmpasiprubartが希少疾病用医薬品指定を取得

アルジェニクスジャパン株式会社は11月28日、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)と多巣性運動ニューロパチー(MMN)に対して開発中のEmpasiprubartが2025年11月27日付で厚生労働省より希少疾病用医薬品に指定されたと発表しました。

慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)/多巣性運動ニューロパチー(MMN)(指定難病14)は、末梢神経系に炎症が起こる自己免疫疾患です。2021年に行われた全国調査によると、日本国内の推定患者数はCIDPが4,180人、MMNが507人でした。

慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)は、四肢の筋力低下と感覚障害を主な特徴とする、免疫介在性の脱髄性末梢神経障害です。発症や病態のメカニズムについては十分に明らかになっていませんが、長期間にわたって再発と寛解を繰り返したり、徐々に進行したりするなど、患者さんによって様々な経過をたどります。この疾患は、患者さんの運動機能や日常生活動作に支障をきたし、QOL(生活の質)の低下や就業への影響といった負担をもたらします。

一方、多巣性運動ニューロパチー(MMN)は希少で重篤かつ慢性的な自己免疫疾患で、末梢神経系に影響を及ぼします。主に手、前腕、下腿の筋力低下が左右非対称に、ゆっくりと進行することが特徴です。多巣性運動ニューロパチー(MMN)はしばしば、補体カスケードの古典経路の活性化を引き起こし、結果として軸索障害を促進する抗GM1 IgM自己抗体の存在と関連しています。

Empasiprubartは、補体第2成分(C2)に結合し、補体カスケードにおける古典経路およびレクチン経路の活性化を阻害する新規のヒト化モノクローナル抗体です。この薬剤は、C3やC5よりも上流で補体活性を阻害することで、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)や多巣性運動ニューロパチー(MMN)などの免疫介在性疾患における組織の炎症や細胞障害を軽減すると考えられています。Empasiprubartは現在、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)患者さんと多巣性運動ニューロパチー(MMN)患者さんを対象とした国際共同第3相試験を実施中です。

今回の指定について、アルジェニクスジャパンの後藤太郎代表取締役社長はプレスリリースにて、「このたび、Empasiprubartが2つの適応において希少疾病用医薬品に指定されたことを大変嬉しく思います。本指定は、未だ充足されない医療ニーズのあるCIDPとMMNの患者さんに新しい治療の選択肢をお届けするための重要な一歩となります。現在進めているEmpasiprubartの開発に全社一丸となって取り組み、新しい治療法をお待ちいただいている方々に少しでも早くお届けできるよう尽力してまいります」と述べています。

出典
アルジェニクスジャパン株式会社 プレスリリース

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