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遺伝性血管性浮腫(HAE)急性発作抑制薬アナエブリ皮下注200mgペンが発売

CSLベーリング株式会社は4月18日、遺伝性血管性浮腫(HAE)の急性発作の発症抑制を効能・効果とする、新規のヒト抗活性化第XII因子モノクローナル抗体製剤「アナエブリ皮下注200mgペン(一般名:ガラダシマブ(遺伝子組換え))」を発売したと発表しました。

遺伝性血管性浮腫(HAE)は、遺伝子の異常により、血管透過性を高めるブラジキニンという物質が過剰に産生されることで、全身の様々な部位に再発性かつ予測困難な浮腫が生じる希少な遺伝性疾患です。喉頭の腫れは気道を閉塞し、生命を脅かす可能性もあります。遺伝性血管性浮腫(HAE)は、国の指定難病である「原発性免疫不全症候群」の一つに認定されており、日本国内で診断・治療を受けている患者さんは約430名と報告されていまが、海外の報告では、5万人に1人の割合で発症するとされており、日本国内には約2,500人の患者さんがいると推定されています。

アナエブリは、遺伝性血管性浮腫(HAE)による血管性浮腫の原因となる活性化第XII因子(FXIIa)の働きを阻害する新しい作用機序を持つ注射薬です。月1回の皮下投与が可能であり、患者さんにとって利便性の高いプレフィルドペン製剤として提供されます。

同剤は、遺伝性血管性浮腫(HAE)患者さん(日本人を含む)を対象とした国際共同第Ⅲ相試験VANGUARD試験およびその非盲検延長試験において、有効性と安全性が確認されました。これらの試験結果に基づき、2025年2月20日に厚生労働省より製造販売承認を取得しています。

CSLベーリングの代表取締役社長である吉田いづみ氏はプレスリリースにて、「ファースト・イン・クラスの作用機序を持ち、月1回投与のプレフィルドペン製剤という高い利便性を備えた「アナエブリ」を、遺伝性血管性浮腫(HAE)の新たな治療選択肢として日本の患者さんにお届けできることを、大変嬉しく思います。本製品は、HAE領域において革新的な治療を提供し続けてきた、当社の40年にわたる取り組みの成果です。「アナエブリ」は、予測困難な発作に苦しむ患者さんに対し、長期的な発作抑制を可能にする新たな治療選択肢として、疾患負担の軽減と生活の質(QOL)の向上に寄与することが期待されます。当社は「アナエブリ」の承認により、「ベリナートP静注用500」および「ベリナート皮下注用2000」に加え、さらに包括的なポートフォリオを提供できるようになりました。これにより、当社が長年にわたり注力してきたHAE領域において、患者さんの多様化するニーズに、より的確にお応えすることが可能となります」と述べています。

出典
CSLベーリング株式会社 プレスリリース

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