トランスサイレチン型心アミロイドーシスの早期診断と新薬で患者さんの未来を拓く~アレクシオンファーマがメディアセミナーを開催~
アレクシオンファーマ合同会社は4月16日、メディアセミナーを開催。同セミナーに、高知大学医学部老年病・循環器内科学教授の北岡裕章先生と久留米大学病院循環器病センター教授の田原宣広先生が登壇しました。
心アミロイドーシスは、アミロイドが全身にたまり、徐々に心臓の機能が低下し、重症化すると命に関わる状態になる疾患です。トランスサイレチン(TTR)の異常によって起こる心アミロイドーシスをトランスサイレチン型心アミロイドーシスといいます。トランスサイレチン(TTR)は、体のなかで重要な役割を果たすたんぱく質です。トランスサイレチン型心アミロイドーシスでは、手首の腱や神経にアミロイドがたまると、手根管症候群を発症し、腰の神経の通り道にアミロイドがたまると、脊柱管狭窄症を発症します。
トランスサイレチン型心アミロイドーシスは、初診時の診断が難しく、約4割の患者さんは、違う疾患だと診断されています。最終的に診断が下りるまでは、5人以上の先生にかかる患者さんも17%いると報告されています。

北岡先生は「心アミロイドーシスの認知度をあげて、患者さんの早期診断を行い、適切な治療を行うことが重要」と述べました。
トランスサイレチン型心アミロイドーシスの治療は、アミロイドーシスに対する治療と心臓の症状に対する治療の2つが必要です。アミロイドーシスに対する治療は、トランスサイレチン四量体安定化薬を用いて、トランスサイレチン(TTR)がバラバラになり、異常なかたまりになることを防ぐことで、アミロイドが作られるのを抑えます。心臓の症状に対する治療は、利尿薬、抗不整脈薬、抗凝固薬が使用され、ペースメーカーを埋め込むことで、脈のリズムを整える治療も行われることがあります。
トランスサイレチン(TTR)四量体が不安定化しにくい構造を実現する薬剤として開発されたのがビヨントラ(一般名:アコラミジス)です。ビヨントラは、トランスサイレチン(TTR)四量体のサイロキシン結合部位と呼ばれるポケットに入り込み、四量体の外側と中心部で結合することによって、四量体をより緊密に結びつける働きをします。

田原先生は「四量体の外側と中心部がしっかり結合していないと、アミロイドを形成されてしまう。アミロイドの形成を抑制するためには、アミロイドを安定化させる薬剤が必要」と話しました。