経口治療薬ゼポジアが中等症から重症の潰瘍性大腸炎に対する製造販売承認を取得
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社は12月27日、スフィンゴシン 1-リン酸(S1P)受容体調節剤であるゼポジア(製品名:「ゼポジア カプセルスターターパック」、「ゼポジア カプセル 0.92mg」、一般名:オザニモド塩酸塩)について、既存治療で効果不十分な中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療薬として、厚生労働省より製造販売承認を取得したと発表しました。
潰瘍性大腸炎(指定難病97)は、大腸の粘膜に炎症が起きることにより、びらんや潰瘍ができる炎症性疾患です。主な症状として、下痢や血便、痙攣性または持続的な腹痛がみられ、重症になると、発熱、体重減少、貧血などの全身の症状が起こります。治療により症状の改善や消失(寛解)が認められる場合も多いですが、再熱する可能性もあり、発病して年数が立つと大腸癌を合併するリスクも高くなります。
潰瘍性大腸炎の患者さんには、働く世代の若い患者さんも多く、日常生活における症状のコントロールにかかる心理的、物理的負担は少なくありません。既存の治療法では、有効性が得られない場合や、利便性、安全性、アドヒアランスの問題で薬剤間の切り替えが必要なケースもあり、特に中等症から重症の患者さんに向けた新規作用機序の治療法開発が望まれてきました。
ゼポジアは、S1P 受容体調節剤であり、S1P受容体1および5に高親和性で結合し、リンパ球遊走の上流で作用する潰瘍性大腸炎に対する新規作用機序の治療薬です。1日1回の経口での服用が可能です。
今回の承認は、日本人の中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎患者を対象とした国内第2/3相試験(RPC01-3103試験=J-True North試験)の結果に基づいたものです。この試験では、臨床的有効性並びに粘膜治癒を含む内視鏡的及び組織学的な疾患活動性に対する有効性が認められ、かつその治療効果は長期にわたり持続し、安全性プロファイルも良好であったことが確認されました。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社はプレスリリースにて、「BMSでは長期的な視点での安全性や有効性の確保と、患者さんの心理的負担軽減につながる治療薬の開発を目指してきました。今回の承認により、ゼポジア中等症から重症の潰瘍性大腸炎の患者さんに新たな治療選択肢となり、患者さんのQOL向上に貢献することを期待しています」と述べています。