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インヒビターのない血友病患者さんにおける出血傾向の抑制に対してマルスタシマブの製造販売承認を申請

ファイザー株式会社は2月28日、抗TFPIモノクローナル抗体「マルスタシマブ(遺伝子組換え)」(以下、マルスタシマブ)について、「血液凝固第VIII因子または第IX因子に対するインヒビターのない血友病患者における出血傾向の抑制」に関する国内における製造販売承認申請を行ったと発表しました。

血友病Aおよび血友病Bは、血を止める働きをする血液凝固因子の欠乏により、出血が止まりにくくなる疾患です。凝固因子補充療法として凝固因子製剤を出血時に投与する出血時補充療法、出血予防を目的に定期的に投与する定期補充療法、または非凝固因子製剤による治療が行われます。凝固因子補充療法により、血友病Aでは約20%、血友病Bでは約3%の患者さんに凝固因子に対するインヒビターが産生されますが、インヒビターが産生されると、凝固因子補充療法による止血が困難となります。

マルスタシマブは、外因系血液凝固カスケードの主要な阻害因子である組織因子経路インヒビター(TFPI)を阻害するヒトIgG1モノクローナル抗体です。マルスタシマブは、血液凝固第VIII因子または第IX因子に対するインヒビター保有または非保有の血友病Aまたは血友病B患者さんにおける出血傾向を抑制するために定期投与が可能で、薬剤調製が不要な固定用量の皮下投与製剤として現在開発中です。

今回の製造販売承認申請は、成人および青年のインヒビターのない血友病A(先天性血液凝固第VIII因子欠乏)または血友病B(先天性血液凝固第IX因子欠乏)患者さんを対象とした国際共同第3相試験(BASIS試験)の結果等に基づくものです。

主要評価項目である年間出血率について、マルスタシマブ定期投与の凝固因子出血時補充療法に対する優越性、およびマルスタシマブ定期投与の凝固因子定期補充療法に対する非劣性が示されました。また、安全性プロファイルも良好でした。

ファイザー株式会社取締役医薬開発担当の石橋太郎氏は「本日、インヒビター非保有の血友病患者にとって新たな治療選択肢となり得るマルスタシマブの製造販売承認を申請したことをうれしく思います。本剤を一日でも早く血友病の患者さんにお届けできるよう、承認取得に向けて引き続き関係者と協力してまいります」と述べています。

出典
ファイザー株式会社 プレスリリース

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