中等症から重症の潰瘍性大腸炎治療薬としてオザニモド、製造販売承認を申請
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社は2月26日、1日1回経口のスフィンゴシン1-リン酸(S1P)受容体調節剤であるオザニモドについて、中等症から重症の潰瘍性大腸炎に対する適応症の取得を目的として、厚生労働省に製造販売承認申請を行ったと発表しました。
潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができる炎症性疾患です。主な症状は、血便を伴うまたは伴わない下痢や腹痛です。重症化すると、発熱、体重減少、貧血などの全身の症状が起こります。また、皮膚や関節や目などの大腸以外の部位に合併症が起こる場合もあります。病状が悪い時期(再燃)と病状が落ち着いている時期(寛解)を繰り返しながら、より重症で薬剤抵抗性へと進行するという特徴があるため、潰瘍性大腸炎の患者さんに対しては、症状の改善はもとより重症化させない治療として、高い有効性と良好な安全性プロファイルを有する、長期使用が可能な利便性の高い経口治療薬が望まれています。
オザニモドは、は経口のスフィンゴシン1リン酸(S1P)受容体調節剤であり、S1P受容体1および5に高親和性で結合し、リンパ球遊走の上流で作用する、潰瘍性大腸炎に対する新規作用機序の治療薬です。リンパ球を末梢リンパ組織内に保持することで、リンパ球の体内循環を制御し、病巣へのリンパ球の浸潤を阻害します。
今回の申請は、日本人の中等症又は重症の活動性潰瘍性大腸炎患者さんを対象とした国内第2/3相試験(RPC01-3103 試験=J-True North試験)の結果に基づいたものです。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社研究開発本部長の杉田真氏は「潰瘍性大腸炎の患者さんの多くは、再燃と寛解を繰り返すことから長期間の医学的管理が必要となります。また、働く世代の比較的若い患者さんが多く、経済的、社会的な影響が大きいとされる疾患です。近い将来、オザニモドが中等症から重症の潰瘍性大腸炎の患者さんにとっての新たな治療選択肢のひとつとなることを期待しています」と述べています。