1. HOME
  2. 難病・希少疾患ニュース
  3. 【米国】フェニルケトン尿症に対するAAVベクター技術を用いた治療薬SAR444836の臨床試験が開始

【米国】フェニルケトン尿症に対するAAVベクター技術を用いた治療薬SAR444836の臨床試験が開始

米・メディシノバ社は10月27日、Sanofi S.A.の子会社であるGenzyme社がフェニルケトン尿症(PKU)治療薬SAR444836の臨床試験において、第一例目の患者に対する治療を実施したことについて発表したと報告しました。

フェニルケトン尿症(PKU)は、必須アミノ酸の一つであるフェニルアラニンを代謝する酵素の異常のために、フェニルアラニンがうまく代謝されずに体内に蓄積することで精神発達の異常などをきたすまれな先天性遺伝疾患のひとつです。治療としては、フェニルアラニンの摂取を抑える食事療法と、不足する他の必須アミノ酸を補うことです。

SAR444836は、AAV(Adeno-Associated Virus;アデノ随伴ウイルス)ベクター技術に基づくフェニルアラニン水酸化酵素(PAH)代替遺伝子治療薬です。アデノ随伴ウイルス(AAV)はヒトに感染する病原性をもたない小型のウイルスであり、分裂期にある細胞にもそうでない細胞にもゲノムを送り込むことができます。正常な遺伝子が組み込まれた AAV は、その遺伝子が欠損していたり、あるいは遺伝子に欠陥があることで正常なタンパク質を合成することができない組織、細胞に対して、正常な遺伝子を効率的に届ける役割を担い、正常なタンパク質を合成します。AAV は、遺伝子を安全かつ容易に患者さんの細胞に届けることができるため、近年この方法を利用して多くの病気を治療できる可能性が示唆されています。

メディシノバ社の子会社であるAvigen社は、ベクターとしてAAVを利用し、必要な遺伝子を AAV に組み入れて治療するという遺伝子治療の基盤技術をGenzyme社にライセンス譲渡しています。

同臨床試験は、成人のフェニルケトン尿症(PKU)を対象に、6週間のスクリーニングの後にSAR444836を1回静脈内投与し、有効性と安全性を96週間追跡する非盲検単群試験です。

メディシノバ社は、同臨床試験の開発進捗に応じて業績に影響を与える影響があるといいます。

出典
メディシノバ社 プレスリリース

関連記事