1. HOME
  2. 難病・希少疾患ニュース
  3. 筋萎縮性側索硬化症を適応症としてメコバラミンの高用量製剤について新薬承認を申請

筋萎縮性側索硬化症を適応症としてメコバラミンの高用量製剤について新薬承認を申請

エーザイ株式会社は1月26日、メコバラミン(開発コード:E0302)の高用量製剤について、筋萎縮性側索硬化症(ALS)に係る適応で、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に新薬承認申請を行ったと発表しました。

筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、運動ニューロンの障害により手・足・のどの筋肉や呼吸に必要な筋肉が徐々に痩せていく進行性の難治性神経変性疾患です。呼吸筋の機能低下が筋肉が生じると、人工呼吸器を装着しなければ、発症後約3~6年以内に呼吸不全で死亡する可能性があります。現在、確立された根治療法はなく、国内外で承認されている薬剤も限られており、アンメット・メディカル・ニーズが極めて高い難病です。

メコバラミンは、メチコバール注射液500µgとして末梢性神経障害およびビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血の適応で承認・販売されています。メコバラミンの筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病態における作用機序については解明されていませんが、非臨床研究の結果から、神経保護作用、神経軸索再生作用により有効性を示す可能性が示唆されています。

今回の申請は、徳島大学らの研究チームが医師主導治験として実施した、発症早期の筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者さんに対する高用量メコバラミンの有効性の検証と安全性の確認を目的とする第Ⅲ相試験(The Japan Early-Stage Trial of Ultrahigh-Dose Methylcobalamin for ALS:以下、JETALS)の結果に基づいたものです。

これまでエーザイ社は、第II/III相試験の結果を基にPMDAに新薬承認申請を行なっていましたが、追加試験が必要との判断により、2016年に新薬承認申請を取り下げていました。このたび、JETALSにおいて良好な試験結果が得られたため、今回の申請に至りました。

なお、 JETALSの結果は査読学術誌「JAMA Neurology」で発表されました。

エーザイ株式会社は「神経領域を重点疾患領域と位置づけており、ヒューマン・ヘルスケア企業として、神経領域におけるアンメット・メディカル・ニーズの充足と患者様と生活者の皆様のベネフィット向上により一層貢献してまいります」と述べています。

メコバラミンは、2022年5月に厚生労働省より希少疾患用医薬品に指定されています。

出典
エーザイ株式会社 プレスリリース

関連記事