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全身型重症筋無力症の治療薬リスティーゴとジルビスク、製造販売承認を取得

ユーシービージャパン株式会社は9月25日、抗FcRnモノクローナル抗体製剤「リスティーゴ皮下注280mg」(一般名:ロザノリキシズマブ(遺伝子組換え)、以下リスティーゴ)および補(C5)阻害剤「ジルビスク皮下注16.6mg/23.0mg/32.4mgシリンジ」(一般名:ジルコプランナトリウム、以下ジルビスク)について、全身型重症筋無力症(gMG)(ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)を効能・効果として、厚生労働省より製造販売承認を取得したと発表しました。

全身型重症筋無力症は、免疫系の機能不全により筋力の低下や眼瞼下垂など、症状が全身に現れる自己免疫疾患です。重症化すると、生命を脅かすような呼吸筋の筋力低下に至る可能性のある重度の筋力低下を引き起こし、呼吸困難を来す場合もあります。

リスティーゴは、ヒト胎児性Fc受容体(FcRn)に結合し、IgG自己抗体を含む血中のIgG濃度を減少させるヒト化IgG4モノクローナル抗体です。全身型重症筋無力症の最も一般的なサブタイプである抗アセチルコリン受容体(AChR)抗体陽性および抗筋特異的受容体型チロシンキナーゼ(MuSK)抗体陽性の全身型重症筋無力症に有効性が認められています。

ジルビスクは、補体C5を阻害する1日1回自己投与型皮下注ペプチド製剤であり、全身型重症筋無力症の治療薬としては、初めての自己注射が可能な皮下注射剤です。

今回の製造販売承認は、いずれも全身型重症筋無力症を対象とした日本人成人患者を含む国際共同試験である「MycarinG試験(MG0003試験)」と「RAISE試験(MG0010試験)」などの結果に基づいたものです。MycarinG試験(MG0003試験)は、リスティーゴの有効性と安全性を、RAISE試験(MG0010試験)は、ジルビスクの有効性と安全性を評価しました。いずれもプラセボ群に対して統計学的に有意で臨床的に意義のある改善を示しました。

代表取締役社長の菊池加奈子氏は「この度の2剤の承認により、gMGというユーシービーにとって新たな領域での貢献に一歩を踏み出せたことを大変嬉しく思います。一般的な疾患と比べ、治療法の選択が限られることの多い希少疾患に対しても、少しでも多くのソリューションを開発し、提供することは、ユーシービージャパンが新たに掲げるコミッメントの一つです」と述べるとともに、「両剤は、多くが生涯にわたって治療を続けるgMGの患者さんの症状の改善と共に、QOLの改善にもつながると信じております」と語っています。

なお、MycarinG試験とRAISE試験の成績は5月に「The Lancet Neurology」に掲載されました。

出典
ユーシービージャパン株式会社 プレスリリース

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