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炎症性腸疾患を対象としたレジストリ解析から遺伝子多型ごと薬剤満足度を解明、医薬品開発の促進と患者の治療選択肢拡大へ

3Hメディソリューション株式会社と株式会社ジーンクエストは9月4日、共同で構築を行った炎症性腸疾患(IBD)患者さんの遺伝情報と臨床情報を備えたレジストリ解析を実施し、そこで得られた遺伝子多型ごとの薬剤効果や満足度の違いに関する情報を活用することで、新薬開発における新たな候補化合物の選定や治験における被験者募集の効率化、また患者さんにとっての治療選択肢の拡大につながる情報提供を開始すると発表しました。

今回のレジストリ解析は、炎症性腸疾患の患者さん100名(潰瘍性大腸炎80名、クローン病20名)を対象に、遺伝情報および治療・服薬履歴、生活習慣情報といった臨床情報を収集しました。それらのデータから既存の炎症性腸疾患治療薬における遺伝子多型ごとの薬剤効果について解析を行いました。

炎症性腸疾患の患者さんが服用しているさまざまな薬剤についての満足度に関連する遺伝子多型が存在するかを探索した結果、タイプ毎に満足度が異なる遺伝子多型が存在することが明らかになり、遺伝子多型によって薬剤の向き不向きがある可能性が示唆されました。


表1 IBD治療薬満足度に関する解析結果

画像はリリースより

また、今回掲載している結果以外にも、取得している患者背景情報や、新たに取得する情報を組み合わせた解析レポートも提供します。

今回の取り組みに製薬企業も参画することで、定期的・継続的に炎症性腸疾患の患者さんの遺伝子多型ごとの薬剤効果に関する情報が入手できます。また、患者さんの背景情報や治療経過などのペイシェント・ジャーニーを知ることで、新たな治療介入に対する気づきを得ることができます。その際、特定の患者さんにより深い聞き取りを行うことも可能です。

また、炎症性腸疾患の患者さんは、今回の取り組みを通じて、治療に有益な情報が公開情報として入手可能になります。特に遺伝子多型による薬剤の効果に関する情報は患者さんごとに異なることから、パーソナライズ化された環境(ジーンクエスト社の会員専用のポータルサイト内等)で提供することが可能です。


図1 IBD患者レジストリに対する定点調査の取り組み

画像はリリースより

3Hメディソリューション株式会社と株式会社ジーンクエストはプレスリリースにて「今後、両社では同様の取り組みを幅広い疾患に対して応用することで、新薬開発の促進および患者さんの治療満足度向上に寄与する活動に貢献して参ります」と述べています。

出典
3Hメディソリューション株式会社 プレスリリース

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