【欧州】タイペルカストの強皮症・全身性強皮症を適応とする特許を承認
メディシノバ社は8月15日、タイペルカスト(MN-001)に関して、強皮症、全身性硬化症(全身性強皮症)を適応として出願中の特許に対し、欧州特許庁から承認の通知があったと発表しました。
強皮症・全身性硬化症(全身性強皮症)は、皮膚のほかに肺・心循環器・消化管・腎臓などの内臓などが線維化し硬化する慢性疾患であり、国内では難病に指定されています。病因は十分に解明されておらず、現時点では根本的な治療法は確立されていません。そのため、皮膚線維化の進行を抑え、内臓病変の出現や進行を抑えることを目標とし、レイノー現象(寒冷曝露などで手足末端の血管が収縮し皮膚色調が変化する現象)への血管拡張薬、肺高血圧症に対する選択的肺血管拡張薬、逆流性食道炎に対する制酸薬などの対症療法や状況によっては免疫抑制剤が用いられます。
タイペルカスト(MN-001)は、複数のメカニズムを通して、5-リポキシゲナーゼ(5-LO)経路を介した炎症抑制効果や線維化予防効果が知られている新規低分子化合物です。
今回の特許承認は、MN-001(タイペルカスト)の強皮症・全身性硬化症に対する抑制または治療を対象とするもので、錠剤、カプセル及び液剤などを含む経口投与を対象とし、投与量と投与頻度を幅広くカバーしています。なお、特許期間は少なくとも2035年6月までをカバーするといいます。
また、取締役兼CMOの松田和子氏は、「今回の特許承認は、全身性硬化症の動物モデルスタディにおける良好な結果に基づくものです。同様の特許が既にカナダで承認されておりますが、本特許が欧州でも承認されたことはMN001の潜在的価値を更に高める可能性があり、大変嬉しく思います」と述べています。