【米国】リサンキズマブ、中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎に対する第 III 相寛解導入療法試験において良好な結果を達成
米アッヴィ社は4月24日、中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎を有する成人患者さんを対象とした第 III 相寛解導入療法試験「INSPIRE試験」において良好なトップライン結果が得られ、リサンキズマブ群が主要評価項目である 12 週時の臨床的寛解およびすべての副次評価項目を達成したと発表しました。
INSPIRE試験の対象は、既存治療や先進治療で不耐容または効果不十分であった患者さんです。また、リツキシマブは0週、4週、および8週時に1200mgを静脈内(IV)投与されました。
INSPIRE試験の結果、12週時の臨床的寛解を達成した患者さんの割合は、リサンキズマブ群では20.3%に対し、プラセボ群は6.2%でした。
また、12週時に内視鏡的改善を達成した患者さんの割合は、リサンキズマブ群では36.5%であり、プラセボ群と比較し、有意に高い結果を達成することができました。さらに、12週時に組織学的・内視鏡的粘膜改善を達成した患者さんの割合は、リサンキズマブ群の24.5%、プラセボ群では7.7%でした。
アッヴィのsenior vice president, development, regulatory affairs兼chief medical officer の Roopal Thakkar, M.D.は「私たちは、消化器疾患を持つ患者さんへの貢献に、今後もますます注力していきます。今回の良好な結果は、リサンキズマブに潰瘍性大腸炎の患者さんの臨床的転帰、内視鏡的転帰、組織学的転帰を改善する可能性があることを裏付けるものです」と述べています。
INSPIRE試験の治験責任医師を務めるベルギーのリエージュ大学病院(University Hospital CHU of Liège Belgium)消化器内科教授兼科長の Edouard Louis, M.D., Ph.D.は「INSPIRE試験において意義のある改善を達成したことは素晴らしいことであり、リサンキズマブには様々な炎症性腸疾患の治療選択肢となる可能性があることを示しました。今回の結果は、リサンキズマブが腹痛、便意切迫、便失禁などの潰瘍性大腸炎の困難な症状に患者さんが対処する際の助けになり得ることを示唆しています」と述べています。