神経線維腫症1型(NF1)における叢状神経線維腫に対する国内初の経口治療薬コセルゴ カプセル10mg、同25mgが発売
アレクシオンファーマ合同会社は11月16日、神経線維腫症1型(NF1)における叢状神経線維腫(PN)を対象に「コセルゴ カプセル10mg、同25mg(一般名:セルメチニブ硫酸塩)」の販売を同日より開始したと発表しました。
神経線維腫症1型(NF1)は、NF1遺伝子の遺伝的または突然変異によって発症する遺伝性疾患。皮膚の神経線維腫や皮膚色素沈着(カフェ・オ・レ斑)、患者さんの30~50%では叢状神経線維腫(PN)がみられるなど、さまざまな症状を伴います。現在、世界で出生約3000人に1人が罹患しているといわれています。
コセルゴは、神経線維腫症1型(NF1)における叢状神経線維腫(PN)を対象とした国内初の経口治療薬。細胞増殖に関与する酵素である分裂促進因子活性化プロテインキナーゼ(MEK1およびMEK2)を阻害することで腫瘍細胞の増殖を抑制します。
今回の承認は、米国国立がん研究所(NCI)のがん治療評価プログラム(CTEP)による SPRINT試験第II相パート層1の結果に基づくものです。同試験では、疼痛や外観上の変形などの臨床症状を有し、重大な合併症のリスクを伴うことなく切除ができない叢状神経線維腫(PN)を有する3歳から18歳の患者さんにコセルゴを経口投与。その結果、客観的奏効率(ORR)は66%(50例中33例)であったことが示されました。
なお、今回の承認における用法用量は「通常、小児にはセルメチニブとして1回25mg/m 2(体表面積)を1日2回空腹時に経口投与するが、患者の状態により適宜減量する。ただし、1回量は50mgを上限とする。」とされています。
アレクシオンファーマ合同会社社長である笠茂公弘氏はプレスリリースにて、「神経線維腫症1型における叢状神経線維腫は今まで根本的な治療薬が無く、主な治療選択肢が手術に限られていました。そのため、痛みを伴う身体的な苦痛、外見の変形等の問題に起因する精神的な苦痛に加え、病態の進行や予後への不安を抱えながら生活する患者さんとご家族も少なくありません。国内初の治療薬コセルゴを、新たな希望として患者さんとご家族に届けられることは大変喜ばしく、我々にとって大きな励みとなります」と述べています。