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新開発の手指機能強化手袋でパーキンソン病患者さんの手指筋力が改善

奈良県立医科大学は6月24日、新たに開発した手指機能強化手袋によってパーキンソン病の患者さんの手指筋力を改善させる可能性があることを確認したことを発表しました。この成果は、同大リハビリテーション医学講座の城戸顕教授、眞野智生准教授、脳神経内科講座の杉江和馬教授と、MBTコンソーシアム会員の株式会社三笠によるものです。

パーキンソン病は、脳の異常により、手足の震え、姿勢保持障害、動作緩慢などの症状が起こる国指定の難病。主に、50歳以上に多く見られる病気ですが、若年層で発症することもあります。

今回開発した手指機能強化手袋は、各指関節に力を作用させる編み方と糸に工夫を施したそうです。この手袋をパーキンソン病の患者さんに5日間装着してもらい、日常生活を過ごしてもらいました。そして手袋を使用する群と使用しない群に分け、使用前と1週間後の筋力を比較しました。

画像はリリースより

その結果、使用しない群では筋力は増加しませんでしたが、使用した群で握力とTip Pinch(指尖つまみ力)、Palmar Pinch(指腹つまみ力)、Lateral Pinch(側方(鍵)つまみ力)が増加したそうです。なかでもPinch(つまみ力)の著しい増加を認めることができたとしています。なお、高齢であっても握力は改善しましたが、罹病期間が短いほど Tip Pinch(指尖つまみ力)、Palmar Pinch(指腹つまみ力)、Lateral Pinch(側方(鍵)つまみ力)の改善が認められたとのことです。

今後は、株式会社三笠が第3種医療機器製造販売業を取得し、医療機器としての商品化を目指すとのこと。またこの技術を応用してスポーツ関連商品への展開も図っていくとしています。

出典
奈良県立医科大学 プレスリリース

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