1. HOME
  2. 難病・希少疾患ニュース
  3. 選択的C5a受容体拮抗薬タブネオス、顕微鏡的多発血管炎(MPA)と多発血管炎性肉芽腫症(GPA)を効能・効果として新発売

選択的C5a受容体拮抗薬タブネオス、顕微鏡的多発血管炎(MPA)と多発血管炎性肉芽腫症(GPA)を効能・効果として新発売

キッセイ薬品工業株式会社は6月6日、抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎に分類される顕微鏡的多発血管炎(MPA)、多発血管炎性肉芽腫症(GPA)を効能・効果として、選択的C5a受容体拮抗薬「タブネオス(R)カプセル10mg」(一般名:アバコパン)を6月7日に新発売すると発表しました。

画像はリリースより

キッセイ薬品は、2017年6月に、スイスのビフォー・フレゼニウス・メディカル・ケア・リーナル・ファーマ(VFMCRP)社より、日本における同剤の独占的開発・販売権を取得し、創製元のケモセントリクス社がスポンサーとして実施した国際共同第III相臨床試験(ADVOCATE試験)に、VFMCRP社とともに参画。ADVOCATE試験で良好な結果を得たため、2021年2月に製造販売承認申請を実施。同年9月にMPAおよびGPAを適応症として製造販売承認を取得し、2022年5月25日に薬価基準に収載されました。なお、同剤は2019年3月に、希少疾病用医薬品の指定を受けていました。

MPAおよびGPAの治療目標は、寛解導入及び寛解維持とされており、早期に炎症を抑制することや、臓器障害の一因となり死亡リスクを高める再燃を防止又は軽減することが、長期的予後の改善に重要とされています。

その標準治療として、寛解導入療法では高用量のグルココルチコイド(副腎皮質ステロイド)と免疫抑制薬の併用、寛解維持療法では低用量のグルココルチコイドと免疫抑制薬の併用が推奨されていますが、両剤ともに重篤な副作用のリスクがあると言われています。ADVOCATE試験では、タブネオスによるグルココルチコイドの投与量の節減又は短期的な使用の可能性が示唆されており、再燃を抑制するための新たな治療選択肢となることが期待されます。

キッセイ薬品はプレスリリースにて、「ANCA関連血管炎に関する的確な情報提供活動と、タブネオスカプセルの適正使用を推進し、MPA及びGPAの治療に一層貢献できるよう努めてまいります」と述べています。

出典
キッセイ薬品工業株式会社 プレスリリース

関連記事