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【欧州】JAK阻害剤ウパダシチニブ、中等症から重症の潰瘍性大腸炎(UC)の治療薬として欧州医薬品委員会が承認を推奨

米アッヴィ社は5 月 23 日、ウパダシチニブ(導入療法時用量 45 mg、維持療法時用量 15 mg および 30 mg)について、既存治療または生物学的製剤のいずれかで効果不十分、効果減弱または不耐容であった中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎の成人患者さんの治療薬として承認を推奨する肯定的見解を、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)から得たと発表しました。

潰瘍性大腸炎(UC)は、は大腸の慢性的な炎症であり、指定難病に登録されている疾患。通常、直腸および結腸の下部に炎症が起こりますが、結腸全体に広がることもあり、便意切迫、腹痛、直腸出血および便失禁などの予測不可能な症状が、患者さんにとって大きな負担となり、生活に支障をきたす可能性があります。

ウパダシチニブは、複数の免疫介在性炎症性疾患を対象に研究が進められている選択的かつ可逆的な JAK 阻害剤。今回の承認申請は、2 つの導入療法試験(UACHIEVE 導入療法試験および U-ACCOMPLISH 試験)および 1 つの維持療法試験(UACHIEVE 維持療法試験)から得られたデータに基づくものです。

3 つの第 III 相試験の主要評価項目である臨床的寛解および全ての副次評価項目を達成した患者さんは、ウパダシチニブ群で有意に多く認められたそうです。また、導入療法試験におけるウパダシチニブ 45 mg 群(1 日 1 回)ならびに維持療法試験におけるウパダシチニブ 15 mg 群および 30mg 群(いずれも 1 日 1 回)では、プラセボ群と比較してこれらの評価項目について統計学的に有意な改善が認められました。なお、潰瘍性大腸炎におけるウパダシチニブの安全性は、関節リウマチで確認された安全性プロファイルと一致しており、新たに重要な安全性リスクは認められなかったそうです。

アッヴィ社の vice president, development, chief medical officer である Neil Gallagher, M.D., Ph.D.はプレスリリースにて、「炎症性腸疾患に対する治療の進歩に取り組むリーダーとして、私たちは症状の管理にとどまらない、内視鏡的・組織学的転帰も考慮した治療選択肢の研究開発に尽力してきました。今回 CHMP によりウパダシチニブが潰瘍性大腸炎の治療薬として推奨されたことは、より多くの患者さんの治療目標達成をお手伝いする私たちの取組みにとって非常に大きな一歩といえます」と述べています。

出典
アッヴィ合同会社 プレスリリース

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